【日産 ノート 試乗】フットワークは軽やかで、思いのほかスポーティ…片岡英明

試乗記 国産車
日産 ノート
日産 ノート 全 8 枚 拡大写真
日産『ノート』は、1クラス上のプレミアム感と広くて快適なキャビンをセールスポイントにする上級指向のコンパクトカーだ。2BOXならではの高い機動性に加え、ワゴン的な魅力も秘めているなど、マルチな才能を持つ。

現行モデルは2015年7月にマイナーチェンジを行い、登場した。ボディカラーは10色を用意しているが、この基本カラーのほかに、ルーフとドアミラーをブリリアントホワイトに塗り分けた粋な2トーンのボディカラーもある。

エンジンの主役は、ダウンサイジングを図り、高膨張比のミラーサイクルと高圧縮比によって燃費向上を図った1.2リットルの直列3気筒DOHC直噴スーパーチャージャーだ。3気筒エンジンというと、振動やノイズが気になるクルマが多い。だが、ノートは上手に抑え込み、知らされなければ4気筒エンジンだと思ってしまうほど滑らかだ。クルージングしているときも静かである。ミラーサイクルエンジンはトルクの細さが気になるが、この弱点をスーパーチャージャーの助けを借りて解消した。アクセルを踏み込むと、低回転からトルクが素直に立ち上がり、軽やかにスピードメーターの針が上昇していく。体感加速は1.5リットルエンジン並みだ。

しかも急加速するとき以外は、スーパーチャージャーを電気クラッチで切り離すから燃費も悪化しない。JC08モード燃費は自然吸気エンジン搭載車を凌ぐほどで、26.2km/リットルの好燃費を実現している。スーパーチャージャーは稼働しないが、街中の混んだ道でも扱いやすかった。フットワークは軽やかで、思いのほかスポーティだ。狙ったラインに乗せやすく、スピードを上げて行くと、どっしりとした落ち着きが加わる。デビューしたときは、乗り心地にちょっと荒さが見られたし、小刻みな振動も気になった。だが、最新モデルは足の動きがよくなり、雑な乗り味が失せている。

キャビンは大人4人が無理なく座れる広さを確保した。後席でもゆったりと寛げる。ラゲッジルームも満足できる広さだ。大型のベビーカーも積みやすいなど、高い実用性を誇る。X DIG-Sは買い得感が高いだけでなくエコカー減税も100%だから魅力は大きい。


■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★★

片岡英明│モータージャーナリスト
自動車専門誌の編集者を経てフリーのモータージャーナリストに。新車からクラシックカーまで、年代、ジャンルを問わず幅広く執筆を手掛け、EVや燃料電池自動車など、次世代の乗り物に関する造詣も深い。日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員

《片岡英明》

片岡英明

片岡英明│モータージャーナリスト 自動車専門誌の編集者を経てフリーのモータージャーナリストに。新車からクラシックカーまで、年代、ジャンルを問わず幅広く執筆を手掛け、EVや燃料電池自動車など、次世代の乗り物に関する造詣も深い。日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員。

+ 続きを読む

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 「TWIN TURBOのロゴ懐かしい!」Z32ファン感涙、レトロ感あふれる新型『フェアレディZ』が話題に
  2. 【プジョー 3008 新型試乗】全身鋼のような硬さに満ち溢れる。これが新時代のプジョーか…中村孝仁
  3. 「思ったよりだいぶ安い」トヨタ『GRヤリス』に新登場、エアロパフォーマンスパッケージに絶賛の声
  4. レクサス『IS』改良新型、米国はハイブリッドなし..V6ガソリンだけを設定
  5. メルセデスベンツ初のEVワゴン、CLAシューティングブレーク新型…IAAモビリティ2025
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
  3. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  4. SUBARUの次世代アイサイト、画像認識技術と最新AI技術融合へ…開発にHPEサーバー導入
  5. 「ハンズオフ」は本当に必要なのか? 高速での手離し運転を実現したホンダ『アコード』を試乗して感じた「意識の変化」
ランキングをもっと見る