いすゞ自動車の川原誠取締役専務執行役員は2月8日に都内で開いた決算会見で、2015年11月に全面改良したピックアップトラック『D-MAX』がタイで3万台近い受注残を抱えていることから、現地で増産する方針を明らかにした。
川原専務は「タイは経済の低迷が続いているが、昨年11月にモデルチェンジしたD-MAXが1.9リットル新型エンジンの燃費性能やスタイリングなど市場からは非常に高い評価を得て、現在3万台弱のバックオーダーを抱えている」と述べた。
D-MAXは今回の全面改良を機に搭載エンジンを従来の3リットルおよび2.5リットルの編成から、3リットルと1.9リットルに変更した。
川原専務は「他社のエンジンは2.4リットルクラスが主力の中、いすゞだけが飛び抜けて小排気量のエンジンを出したので、1.9リットルという排気量が市場からどうみられるか若干不安だった」と明かす。
しかも「今年1月から実施の燃費規制強化を前にした駆け込み需要が予想以上に大きく出ており、年明け以降にその反動も大きくなるとの予測から、新型D-MAXの生産量を10-12月期に当初計画より1万台減らした」という。
ところが「実際に販売が本格化すると1.9リットルエンジンモデルは燃費が良い上に結構走るということで非常に好調なことから、1-3月期に急きょ増産することにした」としている。