【スズキ アルトワークス 復活】誕生秘話…実用的なMT車がない日本車市場に

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スズキ 第一カーライン アシスタントチーフエンジニア 津幡知幸氏
スズキ 第一カーライン アシスタントチーフエンジニア 津幡知幸氏 全 8 枚 拡大写真

昨年11月に開かれた東京モーターショーで、スズキブースに予告なしで登場、多くの人を惹きつけた新型『アルトワークス』。12月24日に発売され、すでに納期は2~3か月というから、その人気がうかがえる。

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「スズキ『アルト』だからこそ、MTでスポーティに運転したいという声が多かった」と語るのは、アルトシリーズのアシスタントチーフエンジニアを担当する津幡知幸氏。「内装は80万円台のアルトとほぼ同じ。走ると入ってくる音は他のクルマよりも大きい。だけどそれでいい」と、ワークスのコンセプトを語る。

「ユーザーはそんなこと期待していない。静かにして、重くして、高級感も…となると、値段も上がり、他のクルマと同じになってしまう」と、ユーザーが本当に求めるものを追求した結果、今のワークスが出来上がったと説明する。

今回新型アルトワークスが登場したのには、現在の日本の自動車市場の現状に理由があるという。「軽のターボのMT車に限って言えば、他にダイハツ『コペン』とホンダ『S660』しかない。じゃあ白ナンバーのMTもどれだけあるのかというと、トヨタ『86』やマツダ『ロードスター』などしかない」と、MT車を運転したいユーザーにとっては選択肢があまりに少ない現状が、アルトワークス誕生の理由だと説明する。

「昔は一番身近だったMT車が、逆に値段も上がって高級品になってる今、この値段で出したからこそ、ユーザーが惹きつけられたんだと思う」と、スズキのクルマということではなく、純粋にMT車に乗りたい人の心を掴んだのだと話す。

アルトワークスの売りは、ただMT車というだけではない。「今のMT車の選択肢だと、2シーターが前提のようになっている」と、実用的なMT車がないことを指摘。家族がいても、荷物を載せる必要があっても使える実用性こそが、アルトワークスの狙いであり強みだと強調する津幡氏。それでも「ここまで反響があるとは思っていなかった」とその本音を語った。

しかしなぜ今、アルトワークスなのか。「まず、現行アルトの出来がとても良かった」という津幡氏。「こんなにいいんだからターボモデルも作ってはどうかという声が上がり、ターボRSが昨年3月に発売になった」。スズキとしてはこのRSで終わらせる予定だったという。「すると今度は3ペダルMTだったらすぐに買う、という試乗した方からの声があり、じゃあ今年はモーターショーもあるから、それに向けてやろうということになった」と、ファンからの声が開発につながったことを明かした。

それから7か月という短い期間で、ほぼ量産モデルレベルのものを東京モーターショーで披露することになったアルトワークス。RSターボ後に行われた短期間の開発は「嬉しい悲鳴」だったとのことだが、待ちわびていたファンにも、納車を待つのは嬉しい悲鳴になりそうだ。

《関 航介》

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