【鈴鹿の名“対決”】セナプロ因縁の接触(1)…1989年F1日本GP

モータースポーツ/エンタメ モータースポーツ
「鈴鹿の名
「鈴鹿の名"対決”」1989年F1日本GP 全 10 枚 拡大写真

鈴鹿でのF1日本GPでの名対決といえば、やはり「セナプロ対決」。この1989年は2人の確執が始まったシーズンだった。そして、チャンピオン決定の舞台となった鈴鹿での1戦は2人の確執を象徴し、さらに両者の溝を深めるレースとなった。

アイルトン・セナ vs アラン・プロスト

前年はF1史上最高コンビとして恐れられたセナとプロストが、89年はトップを争うがゆえに確執が生まれ、同じチームでも完全に分断された状態になっていた。

その中で迎えた日本GP。この年はプロストがリードしている状態でセナは逆転チャンピオンのために何としても優勝がほしいところ。予選から鬼神のような走りを見せポールポジションを奪う。しかし、決勝ではプロストが好ダッシュを決めトップで1コーナー。出遅れたセナも2位を死守し、ここから一進一退の攻防戦が始まっていく。

セナは何とか前に出ようと積極的に仕掛けていくが、相手は2度のチャンピオン経験を持つプロスト。セナのプレッシャーに全く動じずトップを死守していく。こう着状態が続いたまま47周目に突入。残り周回数も少ないことからセナは勝負に出てシケインでインを突く。ところがプロストも半ば強引にブロックし2台は接触してしまった。

アイルトン・セナ vs アレッサンドロ・ナニーニ

プロストはすぐにマシンを降りるが、ここで諦めるとチャンピオンの可能性がなくなってしまうセナはコースマーシャルの手を借りてコースへ復帰。しかし接触の影響でフロントウイングを破損し、緊急ピットイン。この間にアレッサンドロ・ナニーニ(ベネトン)がトップに浮上した。

F1初優勝に向け絶好チャンスが舞い込んできたナニーニだったが、セナも逆転チャンピオンのために優勝を諦めるわけにはいかない。残り5周になって、今度は「セナvsナニーニ」の緊迫したトップ争いが展開された。しかし勢いは圧倒的にセナが上回っており、残り3周のシケインでイン側へ飛び込みトップ奪還。そのまま53周を走りきりトップチェッカーを受けた。

ところが、プロストとの接触時にシケインを通過せずコースに復帰したことが審議され、結果セナは失格処分。ナニーニが思わぬ形で初優勝を手にした。

鈴鹿サーキットでは3月12・13日、「2016 モータースポーツファン感謝デー」が開催。今回のテーマは「対決」。様々なゲストや車両が登場し、バトルを繰り広げる。

《吉田 知弘》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 「ミニGSX-R」をスズキがサプライズ発表!? 鈴鹿8耐マシン以上に「サステナブルかもしれない」理由とは
  2. メルセデスベンツ車だけに特化!走りを静かにする「調音施工」認定店が埼玉県三郷市にオープン
  3. 車検NGの落とし穴!? シート交換で絶対に知っておくべき新ルール~カスタムHOW TO~
  4. 次期BMW『X5』の車内を激写! メーターパネル廃止、全く新しいパノラミックiDriveディスプレイを搭載
  5. トヨタの大型ピックアップトラックの逆輸入に期待? 新型発表に日本のファンも熱視線
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  3. ブレンボが新ブレーキ開発、粒子状物質を削減…寿命も最大2倍に
  4. スズキ初のBEVはなぜ「軽EV」じゃない?『eビターラ』開発者が語る「EVの悪循環」と「スズキの強み」
  5. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
ランキングをもっと見る