車内コミュニケーション機能「ICC」、Vクラスでメリットを体感…ニュアンス

自動車 テクノロジー ITS
CCIがONの状態はモニターとしても表示される
CCIがONの状態はモニターとしても表示される 全 12 枚 拡大写真

音声認識ソフトウェアの開発などを行う米Nuance Communicationsの日本法人「ニュアンス・コミュニケーションズ・ジャパン」は、走行中の車内コミュニケーションをスムーズにする「In-Car Communication(ICC)」のデモンストレーションを行った。

【画像全12枚】

このシステムは、走行中のロードノイズやAVソースなどにより聞き取りにくくなる同乗者同士の会話を、マイクを通して明瞭化するもの。乗車中は前席も後席も前を向いて座っているため、特に前席から後席への会話は聞きにくい傾向にあり、車内空間が広いミニバンでは聞き取りにくさは顕著だ。その状況では運転者が後ろを振り返りながら会話することも想定されるが、そうなれば安全上の問題も生じる。この対策として有効なのがICCなのだ。

システムの基本的な考え方は、マイクで拾った音声を、スピーカーを通して再生するというものとなる。運転者が後席へ向けて会話する時は、前席にあるマイクで運転者の会話を拾い、その音声をオーディオ用スピーカーで再生するのだ。独立した回路を持っているので、オーディオのボリュームとは関係なく再生レベルは常に一定。会話が成り立つレベルで聞こえるようになっている。

また、ニュアンスによれば、システムは前席から後席へ“1-Way”で行うタイプと、前席と後席が双方向で行える“2-Way”の2タイプが存在する。前者はメルセデスベンツの『Vクラス』、『メルセデス-マイバッハ Sクラス』のBurmesterサラウンドシステムで「車内通話機能」として搭載。後者は、ジャガー『XJ』のMERIDIANリファレンスデジタルサウンドシステムの「カンバセーションアシスト機能」として搭載されている。今回のデモは1-Wayを採用したVクラスで行われた。

デモの効果をより実感するため、我々は運転席から遠いサードシートに座った。その効果を実感できたのはロードノイズが高まる高速道路に入ってからだ。通常はONのままになっているICCをOFFにすると、前席で話していた声が急に聞き取りにくくなる。その差は明らかだ。しかも、ONの状態なら音楽を聴きながらでも前席からの声はハッキリ聞き取れたのだ。スピーカーから出てくる音量も適度であり、一方で前席からの“肉声”も聞こえる。これによって方向性も見失わず、誰が話しているのかも把握できるようにもなっていたというわけだ。

ここで疑問が湧く。それは「どうして2-Wayではないのか」ということ。ミニバンのような広いクルマなら双方向の2-Wayを搭載すべきではないのか。これに対してニュアンス・コミュニケーションズ・ジャパンのオートモーティブ セールスエンジニア滝下美由紀氏は「人間の声の音エネルギーは全方位に均一ではなく、前方向へ強く放出される。つまり、前席から後席へのサポートがより重要になるわけで、その考え方に基づけば1-Wayでも十分効果がある」と回答。

2-Wayの方が理想的であることは間違いないが、そうなれば必然的にコストアップにつながるのも確かだ。しかし、より広い採用を目指すのであれば、シンプルながら十分な効果を発揮する1-Wayに歩がある、ということなのだろう。とはいえ、高速走行中でサードシートに座った我々と前席との間で普通に会話ができていたわけで、その結果がそのことを証明していたとも言えるだろう。

《会田肇》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

レスポンス公式TikTok

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. いすゞのピックアップトラック『D-MAX』、タイからの並行輸入で7月1日発売…税抜1000万円
  2. ホンダ『シビックタイプR』受注停止のままモデルチェンジへ、登場は2026年秋か…最終デザイン
  3. 「第3のエコカー」10年ぶり全面刷新か? ダイハツ『ミライース』DNGA採用で燃費さらに向上へ
  4. 三菱『パジェロミニ』を北米投入か? 「ベイビー・パジェロ」は新たな武器になる!
  5. ランボルギーニの世界15台限定スーパーカー『Fenomeno Roadster』、ブリヂストン「POTENZA SPORT」新車装着
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. ボルボカーズ、2028年以降の車両にアプティブのGen 8レーダー採用へ…悪天候や複雑な市街地でも高精度センシング
  2. 日立製作所、製造業向けAIエージェント「品質ナレッジシステム」開発…トラブル対応事例の検索時間を約9割削減
  3. 7/27申込締切 【激変するインド自動車産業】政策転換とEVシフト、クイックコマースが拓く日本企業の勝機
  4. 超高硬度クロムめっき、EV・半導体部品の長寿命化に貢献…大型量産設備をサン工業が稼働 
  5. ボッシュがなぜ「しろくまくん」を買収したのか? “熱とAI”が変える、SDV時代の勝算
ランキングをもっと見る