【ホンダ アフリカツイン 試乗】タフな旅バイクはダートの走破性も抜群…青木タカオ

モーターサイクル 新型車
オン/オフ性能を高次元で両立したCRF1000L Africa Twin
オン/オフ性能を高次元で両立したCRF1000L Africa Twin 全 27 枚 拡大写真

試乗はモトクロスコースの一部、ダート路を含む林道、ワインディング、市街地でおこなったが、まず言いたいのは、リッターエンジンを搭載する大柄なマシンにしては、オフロードでの走破性が高いということ。

最近のアドベンチャーモデルは、オンロード寄りといえるものがほとんどだが、新しいアフリカツインはダートを疎かにしていない印象。スペックを見ても、前後サスのストローク量、250mmの最低地上高はクラストップクラスだ。

クローズドのモトクロスコースにはジャンプやタイトコーナー、急坂もあり、最初は恐る恐る走ったが、周回を重ねるうちに「もっといける」という感覚に。

ジャンプでは着地後にリバウンドを食らってバランスを崩すのでは…という心配をよそに、前後サスが衝撃をしっかり吸収してくれるので、どんどん距離を伸ばせるし、コーナーではイメージ以上にフロントタイヤが近くに感じられクイックに曲がることができる。

そして急坂では、アクセルをワイドオープンしてリアが流れ出してもエンジンの出力特性がフラットなのでコントロールしやすい。リアを振りながらも、フカフカのサンドに負けず力強く坂を駆け上っていく。

DCT仕様もラインナップされるが、その恩恵を強く感じたのが林道。雪や凍土の残るスリッピーなダートでも、半クラなど不要というのが素晴らしい。オートマチックに選択されるギヤ段数も違和感はなく、乗り手はただただアクセルワークと車体コントロールに集中していればいい。

ワインディングも軽快で、オンロードも気持ちがいい。270度位相クランクを採用したパラレルツインはトラクション性能に優れ、スロットルレスポンスも過激すぎず程良い。

ウインドプロテクションも効果的に効いていて、スピードレンジが上がっても走行風をまともにくらうことがなく、ロングライドでも疲れにくい。

『CRF1000L アフリカツイン』は「これ以上はやめておこう」と引き返していた、その先へ入っていけるダートでの走破性を持ちつつ、高速移動を含めたオンロードでのツアラーとしての資質も備えている。

■5つ星評価
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★
コンフォート:★★★★
足着き:★★
オススメ度:★★★★★

青木タカオ|モーターサイクルジャーナリスト
バイク専門誌編集部員を経て、二輪ジャーナリストに転身。国内外のモーターサイクルカルチャーに精通しており、取材経験はアメリカやヨーロッパはもちろん、アフリカや東南アジアにまで及ぶ。自らのMXレース活動や豊富な海外ツーリングで得たノウハウをもとに、独自の視点でオートバイを解説。現在多くのバイク専門誌、一般誌、WEB媒体で活動中。

《青木タカオ》

モーターサイクルジャーナリスト 青木タカオ

バイク専門誌編集部員を経て、二輪ジャーナリストに転身。多くの専門誌への試乗インプレッション寄稿で得た経験をもとにした独自の視点とともに、ビギナーの目線に絶えず立ち返ってわかりやすく解説。休日にバイクを楽しむ等身大のライダーそのものの感覚が幅広く支持され、現在多数のバイク専門誌、一般総合誌、WEBメディアで執筆中。バイク関連著書もある。

+ 続きを読む

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. ホンダ N-BOX など7車種1万2653台リコール…過去の改善措置が不適切
  2. トヨタ RAV4 新型の価格は390万~630万円と予想…電動グレード体系に再編
  3. スズキ『ジムニー』、フランス最終モデルは55台限り…6月末に発売へ
  4. BEVを2年間所有した、“リアルな”ランニングコストを大公開
  5. メルセデスの名車「190E エボ2」が復刻! 限定100台の「HWA EVO」にハンコック純正装着
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 茨城県内4エリアでBYDの大型EVバス「K8 2.0」が運行開始
  2. 三菱が次世代SUVを初公開、『DSTコンセプト』市販版は年内デビューへ
  3. アステモの軽EV用インホイールモーターやジヤトコの2モーターK12マーチなど、国内サプライヤー技術が熱い!…人とくるまのテクノロジー展2025
  4. BYD、認定中古車にも「10年30万km」バッテリーSoH保証適用
  5. コンチネンタル、EVモーター用の新センサー技術開発…精密な温度測定可能に
ランキングをもっと見る