アイシン精機、ミラノデザインウィークの出展内容を発表…ミシンで「ものづくり」を体験

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ミラノサローネでは来場者がミシンを操作して楽しめる
ミラノサローネでは来場者がミシンを操作して楽しめる 全 10 枚 拡大写真

アイシン精機は18日、4月中旬に開催される『ミラノデザインウィーク2016』の出展概要を発表した。発表会場のAXISギャラリーでは展示の様子が一部再現され、コンセプトや雰囲気を伝えていた。

ミラノデザインウィークは世界最大規模のデザインイベントで、今年は4月12~17日にミラノ市内各所で開催。アイシンは2014年から出展をはじめ、今年が3回目となる。出展テーマは従来と同じ「Imagine New Days」。これは同社デザイナーと外部のクリエイターが一緒になって「これからの人の暮らしを考えていこう」というデザインプロジェクトを指す。

さらに今回はサブテーマとして「tsu.ku.ri(つくり)」という語句を掲げた。これは「”創る”喜びをもう一度」という意図が込められもので、実際の展示内容も「人の創造性をカタチにする”ものづくりの楽しさ”と”自然と共にある豊かな暮らし”を提案する」ものになっているという。

今回の参加クリエイターは鈴木マサル(テキスタイルデザイナー)、吉本英樹(デザインエンジニア)、伊藤節+伊藤志信(デザイナー)、森ひかる(デザイナー)の4組。展示の総合プロデュースは桐山登士樹が担当。

吉本氏は多くのアイシン製品に使われている歯車に着目。光と歯車の生み出す影で優しくきらびやかな空間を創出。鈴木氏はアイシンの家庭用ミシン『OEKAKI50』を用いて作品を制作。自由に刺繍したテキスタイルで空間を満たし、揺らめく自然の情景の中を散策するような感覚が得られるという。

こうしたアイデアを取り込んで、森氏がブース全体をデザイン。そして 伊藤節+伊藤志信は OEKAKI50のデザインを受けて、オリジナルの作業テーブルを考案した。

さらに注目点は、ミシンそのものにも焦点が当てられていることだ。その理由は「自動車技術を応用して1946年に誕生し、アイシンの技術のルーツになっているから。そして来場者が楽しめ、主役になれる展示を考えた結果です」と同社デザイン部の岡雄一郎部長は説明する。

実際に観衆がOEKAKI50を操作し、このミシンが持つ「お絵描き刺繍機能」でオリジナルの手ぬぐいにさまざまな文字や図形、模様を創作できるようになっている。来場者がアイシンの世界に触れるだけでなく、「創作活動ができる」という点が、今回の出展の最大の特徴といえる。

発表会場では、実際にOEKAKI50に触れることができた。実際のところ、思い通りの模様を刺繍するには若干の慣れが必要のようだ。しかし、こうして「上達の過程を楽しむ」ということが創造に繋がると岡部長は説明する。

スカイプで会見に参加した鈴木氏は「どんなデバイスも、人が介在しないと動かない。そのなかでミシンは、もともと人との距離が近い存在です。だから人との距離をもっと縮める展示にしたいと考え、アナログな仕掛けによって世界観を表現したいと試みました」と語っている。

なお発表会場では、同社初のミシンとして開発され「トヨタミシン」として広く販売された『HA-1』も展示された。

《古庄 速人》

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