人とドローン、共存と発展の可能性は…東京大学がプレゼン

航空 テクノロジー
人とドローンがもっと共存できないか?…東京大学がプレゼン
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「すべてのドローンにジンバル機構をつけるべき」
都内で開催されたイベント「Robotics Future 2016」で、東京大学の趙 漠居さんは話した。

 ドローンが普及する一方で、今その安全な運用が要求されている。「ドローンはものにぶつかると墜落し、墜落すると人が怪我をする恐れもあります。だから改正航空法でルール決めを行いました。しかしそれでも足りません」。「ドローンはものに近寄ると流体力学的に吸い寄る力が働きバランスを崩します(コアンダ効果)」。これに対してはドローンを球状にあるラインで覆うなど保護外装をつけたものも登場した。趙さんはこの構造は素晴らしいとしながらも、無駄なスペースを作りだしていると指摘する。

 今回の趙さんのアイデアのキーとなっているのはモジュール型のジンバル機構というものだ。ジンバルとはひとつの軸を中心に物体を回転させる回転台の一種だという。個々のプロペラがジンバル機構をもっており、向きが自由に変化する。これにより傾き飛行も可能になった。また、最適な保護外装を設計してモジュール化することで、プロペラを6個、8個と増設することができるようにしている。

 外力が加わったジンバル機構搭載のドローンは、その外力を吸収して飛び続け、また衝撃を受けた場合は傾きながら反対方向に退避もする。将来的には突風がきても飛行し続けることを想定している。

 現在のドローンを使ったビジネスやサービスは人との共存をあまり考えていない。空輸も点検も、単体で人がいないところの飛行を考えている。しかし、このジンバル機構を搭載すれば人ごみでの空輸や作業員との共同点検作業などにも用途が広がり、新しい市場も生まれるのではないかとしている。


■お詫び:初出時、コアンダ効果の表記に誤りがありました、ここにお詫びし訂正いたします

人とドローンがもっと共存できないか?…東京大学がプレゼン

《編集部@RBB TODAY》

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