オートバックスセブンは、1月18日よりスーパーオートバックス東京ベイ東雲で、都内での独占販売を開始している電気自動車『トミーカイラ ZZ』について、試乗車の準備が整ったと発表した。
4月から試乗が開始されるのに先駆けて、取材する機会を得たのでレポートする。
トミーカイラZZは、1990年後半に惜しまれつつも販売を終了した幻のスポーツカー「トミーカイラ」の名を引き継ぎ、GLM社がシャシ・パワートレインの全てを新規開発した電気自動車(EV)だ。高剛性アルミフレームと軽量FRPボディにより 850kgという超軽量な車体に、強力な専用設計モーターを搭載し、鋭い加速感とキレのある軽快な走りを実現している。
当初は往年のトミーカイラZZをベースに、フレームをそのまま、エンジンをコンバートしてEV化することを目論んでいたが、結局ひとつずつ洗い出していくうちに全て新設計になってしまったのだとか。「オリジナルと共通の部品はあのトミーカイラのエンブレムだけなんです」とスーパーオートバックス東京ベイ東雲の下妻氏は語ってくれた。ウサギとカメの童話が由来になっているというトミーカイラのエンブレムは新しくEVレーシングカーとして登場したZZのフロントにもしっかりと輝いていた。
小さな全長3865×全幅1735×全高1140mmのボディは車重は850kg、ながら225kw(305馬力)で停止状態から100km/hまで3.9秒で到達するパフォーマンスを誇る。すでに第一次の受注は終了し、30台ほどが納車されているとのこと。しかし舞鶴にファクトリーが完成し、本格的な量産体制が整ったので、第二次の受注を開始したばかりという状況なのだそうだ。
航続距離は満充電で120km程度と公表されているが「長くすることはできます。しかしEVでしか体感できないパフォーマンスと、クルマとして“諦めることで手に入れることができるピュアさ”を体感していただきたいのです」(下妻氏)とのこと。確かに、ナビゲーションはもちろん、エアコン、パワステもない。ブレーキもノンサーボ。サイドウィンドウもない。「語弊を恐れずに言えば、とても不便なのですが、そういう部分も含めて楽しんで欲しいのです。乗ることそのもの以上に“選んだことが粋”というクルマだと思います」と下妻市は語った。