【アウディ A4 試乗】プレミアムブランドとしてのジレンマを感じるFF…諸星陽一

試乗記 輸入車
アウディ A4 2.0TFSI
アウディ A4 2.0TFSI 全 11 枚 拡大写真

今年1月に5代目に移行したアウディ『A4』。差所に日本に導入されたモデルには、2種のエンジンが用意された。

どちらも2リットルのターボ付きで、パワフルな252馬力/370Nm仕様は4WDのクワトロに搭載。ベーシックな190馬力/320NmはFFモデルに搭載される。FFモデル用は、ミラーサイクルの燃焼方式を採用するエンジンで、JC08モードで18.4km/リットルの燃費を実現。ただし使用燃料はプレミアム(ハイオク)となる。

試乗車は現在日本に輸入されているA4のなかでもっともベーシックな仕様となるFFのA4 2.0TFSI。車両本体価格は518万円だが、8万5000円のオプションカラー、45万円のレザーパッケージ、17万円アドバンスサウンドシステム、9万円の10スポークの17インチアルミホイール、34万円のマトリクスLEDヘッドライトパッケージと100万円オーバーのオプションが装備されていた。

クワトロに比べると60馬力以上低い最高出力となるFFのエンジン。2リットルで190馬力なのでリッター100馬力まであとちょっととそこそこのパワフルさなのだが、先にクワトロに乗ってしまっていると物足りなさを感じてしまう。これがフォルクスワーゲンならそんなにもの足りなくないのだが、もはやプレミアムブランドとして成熟したアウディだとやはりクワトロと同じレベルが欲しくなる。

これは今後もアウディがかかえることになる悩みになるだろうし、ジレンマともなるだろう。燃費やエコロジーのためにパワーを削る…ことがこの価格のクルマを買う層にどこまで響くかだ。

ハンドリングに関してはクワトロよりもしっとり感があるものの、やはりシャープでしっかりしたスポーティなもの。ドイツ車を買ったという気持ちにはなれるが、もう少しゆるいほうがいいのはクワトロモデル同様だ。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★

諸星陽一|モータージャーナリスト
自動車雑誌の編集部員を経て、23歳でフリーランスのジャーナリストとなる。20歳代後半からは、富士フレッシュマンレースなどに7年間参戦。サーキットでは写真撮影も行う、フォトジャーナリストとして活動中。趣味は料理。

《諸星陽一》

諸星陽一

自動車雑誌の編集部員を経て、23歳でフリーランスのジャーナリストとなる。20歳代後半からは、富士フレッシュマンレースなどに7年間参戦。サーキットでは写真撮影も行う、フォトジャーナリストとして活動中。趣味は料理。

+ 続きを読む

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. ベントレーの超高級住宅、最上階は「55億円」 クルマで61階の自宅まで
  2. BEVを2年間所有した、“リアルな”ランニングコストを大公開
  3. 日産の新型セダン『N7』、発売50日で受注2万台を突破
  4. 【ダイハツ ムーヴ 新型】「ポッキー入れ」にイルミネーション、軽自動車でも質感を“あきらめさせない”インテリアとは
  5. VW『ゴルフGTI』50年の歴史で最強、325馬力の「EDITION 50」発表
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 茨城県内4エリアでBYDの大型EVバス「K8 2.0」が運行開始
  2. 米国EV市場の課題と消費者意識、充電インフラが最大の懸念…J.D.パワー調査
  3. コンチネンタル、EVモーター用の新センサー技術開発…精密な温度測定可能に
  4. 三菱が次世代SUVを初公開、『DSTコンセプト』市販版は年内デビューへ
  5. BYD、認定中古車にも「10年30万km」バッテリーSoH保証適用
ランキングをもっと見る