【タイヤの日】安全・エコ・節約・快適ドライブ…タイヤで変わるこれだけのこと

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タイヤの側面にある(スリップサインの位置を示す)三角マーク。残り溝の深さはこのマークされた部分の接地面で確認する
タイヤの側面にある(スリップサインの位置を示す)三角マーク。残り溝の深さはこのマークされた部分の接地面で確認する 全 23 枚 拡大写真

「クルマ」という名前が表すようにタイヤ(車輪)は自動車の構成要素のうち基本中の基本ともいえる。それだけ当たり前の存在のため、日ごろタイヤを意識する人は少ないかもしれない。しかし、自動車と路面が物理的に接触するタイヤはさまざまな性能に直結する重要な部品でもある。

そんなタイヤについて、改めて意識を向けてほしいと日本自動車タイヤ協会にて作られたのが「タイヤの日」だ。毎年4月8日に定められたのは、4輪を意味する4とタイヤをイメージする8だからだそうだ。このタイヤの日に合わせて、ダンロップは全国47都道府県にあるSA/PA、道の駅など52会場で、タイヤの無料点検サービスやイベントを開催して、タイヤの正しい点検方法、メンテナンス、選び方などを広く知ってもらえるよう活動している。

しかし、車検はちゃんと出しているので自分でチェックしたことがない、日ごろの点検やメンテナンスはどうしたらいいのかわからない、という人も多いのではないだろうか。そんな人のために、タイヤのプロに聞いてみた。取材に強力してくれたのは、ダンロップのタイヤ専門店「タイヤセレクト 久が原店」の星野由智店長だ。

◆安全と燃費に関わる、空気圧チェック

タイヤ点検の基本は空気圧チェックだと星野氏はいう。「タイヤの空気は最初の1か月で5~10%ほど圧力が下がるといわれています。月一点検とまではなかなかいきませんが、車検のみのチェックでは不十分です。」とのことだ。使用条件にもよるだろうが、仮に毎月10%ずつ空気圧が下がったとすると、単純計算では6か月で約53%とほぼ半減する。こまめなチェックを心掛けたい。

空気圧のチェックは、タイヤショップなどプロに任せればよいが、自分で行う場合は、まずその車の適正空気圧を調べる必要がある。通常は運転席のドアの内側(車体側)にラベル表示で確認して、規定の空気圧に調整する。このとき空気圧は高めならよいというわけではない。

「タイヤの空気圧は車の重さやタイヤのサイズなどを考慮して車種ごとに決められています。低くてももちろんダメですが、高くすればよいというものでもありません。高速走行の前にバースト予防のため10kPaくらい高めることはありますが、まずは規定圧に調整することが重要です」(星野氏)。

空気圧が高すぎると、タイヤの接地面が均一でなくなり、偏摩耗の原因になったり、所定の性能が発揮できなくなったりすることがある。低くても偏摩耗の原因になる。高速走行ではタイヤが変形し(スタンディングウェーブ現象)バーストの原因にもなる。適正空気圧でないタイヤは大変危険だという。

さらに、燃費や省エネにも影響する。「お店でよく説明するのは、自転車でも空気の抜けたタイヤでペダルをこぐととても重いですよね。それと同じで、適正空気圧でないタイヤはそれだけ車に負担をかけてしまいます。燃費も悪くなりますし、タイヤの偏摩耗にもつながります。当店で扱っている『ル・マン4』や『エナセーブEC203』などダンロップの低燃費タイヤシリーズなどの低燃費性能をしっかり発揮させるためにも、乗る前にはチェックしていただいた方がよろしいですね」と星野氏がいう通り、空気圧ひとつで燃費も変わってくるし、タイヤの節約にもなる。

◆気づかぬうちに減っていくタイヤ、溝や傷にも注意

次のチェック項目は、溝の深さ、傷などの外観チェックだ。

「タイヤ側面の外周付近に小さい三角形のマークがあります。残り溝の深さはこのマークされた部分の接地面で確認します。次にタイヤが劣化してひび割れしていないか、傷などがないかをチェックします。サイドウォールと呼ばれる側面はタイヤの中で最もゴム厚が薄いところです。縁石などにこすっても切れたり削れたりすることがあります。とくに注意してみてください」(星野氏)。

残り溝は三角形のマークが指す方向のタイヤ接地面にある溝の中のスリップサインと呼ばれるでっぱりと、タイヤの接地面の高さが同じになったら、そのタイヤの溝は限界(法定1.6mmまで)に達したということで使えなくなる(車検が通らない)。そうなる前にタイヤの交換が必要だ。空気は漏れていないからと、サイドウォールの亀裂などを放置すると、走行中の思わぬバーストの原因になる。接地面の穴は補修することができるが、サイドウォールの傷は補修できない。この部分に亀裂や傷を発見したら即交換と思ったほうがよい。

タイヤを長く使いたいなら、タイヤの位置を入れ替えるローテーションを行うとよい。

「一般的なラジアルタイヤは回転方向の指定がなくても同じ回転方向で使ったほうがよいでしょう。そのためローテーションは同じサイドのタイヤの前後を入れ替えることで行います。FF車では圧倒的に前のタイヤの減りが早いので、ローテーションを行うことでタイヤの交換時期を延ばすことができます。走行5000kmを目安にローテーションを行うと、2年の交換時期を3年くらいまで伸ばすことも可能です。『エナセーブRV504』や『VEURO』など低燃費性能だけではなく、ロングライフに優れているダンロップの特徴をさらに活かすことができるのでおすすめします」(星野氏)。

自宅にジャッキやアテ馬などがあれば自分でローテーションを行うこともできるが、日ごろタイヤ交換などの経験のないユーザーはプロに任せるべきだ。車載のパンタグラフジャッキが1台しかないなら、同時に2輪を浮かせる必要のあるローテーションは無理と考えたほうがよい。また、初心者がホイールナットを締め付けたり緩めたりするときに足を使ってボルトを折ってしまうこともある。

◆気軽に相談できる行きつけのショップがあれば安心

この時期は、スタッドレスタイヤを夏タイヤに交換する時期でもある。スタッドレスタイヤの保管方法は、「雨と直射日光の当たらない冷暗所が理想ですね。あと、保管時の空気圧は規定値の半分くらいにしておきます。あまり下げすぎると、保管時にタイヤが変形してしまうので注意してください」とアドバイスしてくれた。

どれだけエンジンが進化しサスペンションやブレーキが強化されたとしても、最終的にタイヤを介さないとその性能は発揮できない。これは電気自動車(EV)や自動運転の車になっても同じことだ。星野氏の話にあったように、タイヤの状態ひとつで、バースト防止、安定した走行など安全面で影響する部分も多い。ガソリンを節約できたり省エネになったりすれば、寿命も延ばすことができる。

空気圧チェック、摩耗チェック、タイヤ交換、ローテーションと注意すべきポイントも少なくないが、こまめなチェックは上記のような安全やエコに欠かせない。自分ですべてやるのは大変だとしても、ほとんどの作業はプロに頼むことができる。むしろ、ショップやプロに任せたほうが効率がよいし安全だ。ただし、摩耗チェックやローテーションのような点検は、継続して管理したほうが確実だ。そのためには、同じショップや工場、ガソリンスタンドなどで見てもらったほうがよい。前回のタイヤ交換、ローテーションなどの記録もあるだろうし、その車の普段の使い方なども考慮してくれるので、より適切なアドバイスやメンテナンスが可能だ。

取材したタイヤセレクト久が原では、「空気圧チェックやタイヤの外観チェックなど無料サービスもあります。トラブルで持ち込むだけでなく、ちょっとした点検だけでも気軽に来店していただきたいです」(星野氏)というように、コーヒーなどの無料サービスやキッズスペースなど用意しているそうだ。実際、この店では周辺の固定客が多く、さまざまなタイヤ相談に乗っているという。健康維持にはかかりつけの病院を作れと、よく言われる。タイヤについても同様に、かかりつけのショップを作って、気軽に相談できるようにしておくとよいだろう。

◆タイヤ点検の専用サイトはこちら

《中尾真二》

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