【トヨタ G's ノア プロトタイプ サーキット試乗】思わず、おっ?とステアリングを握りながらニヤリ…中村孝仁

試乗記 国産車
トヨタ G's ノア プロトタイプ
トヨタ G's ノア プロトタイプ 全 18 枚 拡大写真

東京オートサロン16で披露されたG'sプロデュースの『ノア』をサーキットで試乗した。なんだかんだ言っても所詮はミニバンですからね。サーキットでの試乗なんて、いかがなもんでしょ? …が、実際は嬉しい驚きだった。

まだ、プロトタイプとはいえ、ほぼほぼ市販レベルに煮詰められているこのクルマ。解説を読んでみると、そうとうしっかりと作り込んでいる。ただ単にエアロをセットして、ローダウンさせただけなどという生易しいものではない。フロントサスペンションメンバーは左右並びにセンターにブレースを入れて強化。同様にリアサスペンションも左右とセンターに強化ブレースを入れているのだが、リアはさらに左右のアッパー、ロワーの両方にブレースを入れた。そしてセンターフロアに二つのブレースを入れそれをブラケットで繋いでいる。

サスペンションは前後のダンパーとコイルスプリングを変更。これによって、フロントで20mm、リアで25mmのローダウンを達成している。タイヤ及びホイールは、215/45R18のブリヂストン「POTENZA RE050A」とエンケイ製18インチ鋳造アルミホイールの組み合わせ。他にホイールは2種のオプションが用意される。また、赤く塗られたロゴ入りのブレーキはオプション設定だ。

内装関係ではメーターパネル、シート、ステアリング、ペダルなどがG'sの装備となっている。

コースは袖ヶ浦フォレストレースウェイ。この日はトヨタGAZOO Racingのモデルが一堂に会した試乗会で、ニュルで鍛えたという『86』のGRモデルや『マークX』などが走り回っている。そんな中を唯一のミニバンにしてオートマチック仕様が走るわけだから、速いクルマの邪魔にならないようミラーを見ながら、ハザードランプを付けての遠慮がちな走行でスタートした。このコースはすでにだいぶ走り込んでいるのでおおよそのことは承知しているつもり。ただ、ちゃんと攻めたわけでもなく、また、未だに攻めきれないコーナーもあるので、まあ慎重に走ったわけだが、正直偽らざる印象として、このミニバン、行けるじゃん? というのがその感想である。

まず、ロール剛性が大幅に高くなっている。シャシーに手を入れた効果が顕著に表れている印象だ。次に、コーナーからの脱出時の踏ん張り感が非常に強い。それにステアリングがシャープかつ正確だ。考えようによってはミニバンにこれ、必要? と思う部分もあるのだが、多くのミニバンユーザーのお父さんが、家族のクルマとして1台しかクルマを持てない状況において、せめて少しでも走りを楽しみたいと考えれば、このチョイスはありなわけで、間違いなくノーマルのミニバンから乗り換えたら、最初のコーナーで、おっ? とステアリングを握りながら思わずニヤリとすること請け合いである。

最大25mmのローダウンされているわけだから、当然足は硬い。快適性という点では多少マイナス評価になるのかもしれないし、今回は一般道で試しているわけでもないので、乗り心地という部分については未知数であるが、少しパドックを走ったり、スピードを落として一般道並みのペースで走る限り、乗り心地が損なわれている印象はなかった。

今のところ発売は4月後半が予定されているようだ。

中村孝仁|AJAJ会員
1952年生まれ、4歳にしてモーターマガジンの誌面を飾るクルマ好き。その後スーパーカーショップのバイトに始まり、ノバエンジニアリングの丁稚メカを経験し、その後ドイツでクルマ修行。1977年にジャーナリズム業界に入り、以来38年間、フリージャーナリストとして活動を続けている。

《中村 孝仁》

中村 孝仁

中村孝仁(なかむらたかひと)|AJAJ会員 1952年生まれ、4歳にしてモーターマガジンの誌面を飾るクルマ好き。その後スーパーカーショップのバイトに始まり、ノバエンジニアリングの丁稚メカを経験し、さらにドイツでクルマ修行。1977年にジャーナリズム業界に入り、以来45年間、フリージャーナリストとして活動を続けている。また、現在は企業やシニア向け運転講習の会社、ショーファデプト代表取締役も務める。

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