【レクサス GS F 試乗】国産1000万円スポーツセダンの走りは本気だ…諸星陽一

試乗記 国産車
レクサス GS F
レクサス GS F 全 13 枚 拡大写真

レクサスのセカンドグレードとなる『GS』が2015年11月にマイナーチェンジ。同時にスポーツモデルである「F」が追加された。

レクサスのスポーツグレードには「F」の一文字が追加される。この「F」は富士スピードウェイの頭文字から取られている。GS Fの試乗もこの「F」生誕の地、富士スピードウェイで開催された。まずはスピードウェイのコースを使っての試乗となったが、コース上は完全なウエット。ときおり濃霧がコースを覆うこともあり、フルコースを全開というわけにはいかなかった。それでもGS Fの実力は大いに感じられた。

まず、ボディ剛性の高さが際立っていたこと。サーキットを走るとボディの優劣はすぐにわかる。ウエットではあったが、横Gがたまる100Rではタイヤが路面をグッとつかんで回っていくなか、ボディはまったく弱みを見せない。それは1コーナーでのフルブレーキングでも同じ。1.8トンという重量級のボディをABSがフル作動するようなブレーキングをしてもガシッとまとまり感をもったままだ。

GS Fのミッションはコンベンショナルなトルコン付き8速AT。ドライブモードはエコ、ノーマル、スポーツS、スポーツS+の4つが用意されている。スポーツSまたはスポーツS+を選んだ場合は高応答のシフトアップ制御とブリッピングダウンシフト制御が行われる。サーキットを走る際はやはりM(マニュアル)ポジションを選んだほうが楽しい。それもそのはずで、Mポジションでは2速以上のギヤが完全にロックするようになっているのだ。

GS Fにはミッションのモードとともに走りに大きく影響する走行モードの切り替えがTVD(トルク・ベクタリング・ディファレンシャル)のモード。TVDはコーナリング時にリヤ左右のトルク配分を積極的にコントロールするもので、モードはスタンダード、スラローム、サーキットの3種。スタンダードはオープンデフに近い設定、スラロームはヨー(曲がるための力)を積極的に発生させるモード、サーキットは安定性を高めたモードとなる。乗って楽しいのはスラロームモード。サーキット走行でもスラロームモードで走り、クルマの向きを積極的に変えていくのが楽しい。

今まで国産車にはなかったサーキットで思いっきり楽しめるスポーツセダンがついに登場したのは大きな出来事と言える。価格も1100万円と欧州のライバルと肩を並べる。気軽に買えるクルマではないが、そうしたクルマをトヨタが作り世に出したという事実自体が大きな評価に値する。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★

諸星陽一|モータージャーナリスト
自動車雑誌の編集部員を経て、23歳でフリーランスのジャーナリストとなる。20歳代後半からは、富士フレッシュマンレースなどに7年間参戦。サーキットでは写真撮影も行う、フォトジャーナリストとして活動中。趣味は料理。

《諸星陽一》

諸星陽一

自動車雑誌の編集部員を経て、23歳でフリーランスのジャーナリストとなる。20歳代後半からは、富士フレッシュマンレースなどに7年間参戦。サーキットでは写真撮影も行う、フォトジャーナリストとして活動中。趣味は料理。

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