【スーパーフォーミュラ 岡山テスト】2日目の最速タイムは中嶋一貴…トムス勢が1-2

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#37 中嶋一貴
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1日、全日本スーパーフォーミュラ選手権(SF)の岡山公式テストが2日目を迎え、午前が雨によるウエットコンディション、午後は次第にドライへと回復していく状況となり、中嶋一貴が午後に1分13秒368の最速時計をマークした。

2日目の午前、岡山国際サーキットは雨。9時30分から約2時間半の午前セッション中、大雨ではないものの雨はほぼ断続的に降り続け、途中、一時的にほとんどやんだ局面もあったが、終盤にはまた少し強めに降るなどしている。今季からヨコハマ製ワンメイクタイヤで走ることになったSFだが、レインタイヤでの走行にはまだまだ適応が難しい面があるようで、このセッションでは9度もの車両回収による赤旗中断が発生した。

午前セッションのベストタイムは石浦宏明(#1 P.MU/CERUMO・INGING/エンジンはトヨタ)がマークした1分31秒038。前日のドライ時からは約20秒落ちだが、これは午前の2番手以降を4秒以上も引き離すダントツのタイム。あくまでテストということを考えると、試作スペック的なタイヤ等を試すメニューを実施していた可能性も(石浦に限らず)あるため、なんとも評価しにくい面は残るが、それでも前年王者が貫禄を見せたということに間違いはない。もちろん浜島裕英氏を総監督に招聘した効果、という見方もできるところだろう。

午後は雨が上がり、次第に路面も回復していく流れとなる。ただ、セッション前半はレインタイヤでのメニュー消化が主で、スリックタイヤを履いての本格的走行に入るマシンが現れ始めたのは約2時間半のセッションが残り1時間を切る頃合いからだった。

そして最後の10分ほどは予選さながらのタイム更新合戦が展開された。ここで存在感を発揮したのは「やはり」という強い面々、アンドレ・ロッテラー(#36 VANTELIN TEAM TOM'S/トヨタ)、ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ(#19 ITOCHU ENEX TEAM IMPUL/トヨタ)、そして小林可夢偉(#8 SUNOCO Team LeMans/トヨタ)らが1分13秒台後半で上位を争う。しかし、それに断を下す格好で唯一の1分13秒台前半(1分13秒368)をマークしたのが、中嶋一貴(#37 VANTELIN TEAM TOM'S/トヨタ)だった。

中嶋一貴のコメント
「昨日、足りていなかった部分をもう少し、ということで最後の1時間、乾いてきたなかでやっていったんですけど、(トップなので)良かったといえば良かったんですが、あんまり手応えがあるわけでもないですね(苦笑)。状況がいろいろとバタバタしていて、みんなが何をしているかも分からないし、テストはテスト、という感じですかね。

岡山は昨年(WECとの日程重複や負傷があって)公式テストと実戦を走ってないですから、一昨年の年末のSFでのテスト以来だと思います。もともと得意な意識があるコースでもないので、そういう意味では第2戦(5月)に向けていい準備にはなったのかな、と思います。もちろんコンディションが変わるので、一概には言えないですけどね。ただ、自信まではもてないにしても、嫌な感じはなく臨めると思います」。

予選では使えないオーバーテイクシステムも上手に使えてのアタックだったらしく、それだけに1周の短い岡山で僚友ロッテラー以降をコンマ2秒以上離したといっても、一貴に安心感はない。しかし、今季は「これまであんまり良くなかったんで」という状態から、「鈴鹿(開幕戦)に向けてもある程度(マシンのセットアップは)こういう方向で、というのはつかめています」とのことなので、2年ぶり3度目の戴冠へ、体制は整いつつあるようだ。

ロッテラーが午後の2番手でトムスがセッション1-2。3位にはオリベイラ、4位に可夢偉が続いた。ホンダ勢最速の5位には山本尚貴(#16 TEAM 無限)。なお、2日間を通じての最速タイムは初日に山本がマークした1分12秒902だった。

これで開幕前の公式テストは終了。SFのシーズン開幕自体は4月末とまだ少し先だが、岡山国際サーキットでは来週末、4月9~10日にSUPER GTシリーズの開幕戦が開催される。そして岡山でのSF第2戦の日程は5月28~29日。日本のトップモータースポーツのシーズン序盤は岡山で熱戦が続く流れになる。

そしてSF開幕戦は鈴鹿サーキットが舞台。4月23日が予選、24日が決勝となるが、今季はレースウイークの金曜日にも練習走行が定例化されることが決まっており、22日から実質的な戦いが始まることになる。今週末のバーレーンGPでF1デビューを飾るS.バンドーン(岡山テストは初日のみ参加)のSF初実戦ということでも、大きな注目を集めそうだ。

《遠藤俊幸》

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