10人死傷の多重衝突、脇見運転の被告に禁錮の実刑

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昨年11月、群馬県安中市内の上信越自動車道上り線で6台が関係する多重衝突事故を起こし、10人を死傷させたとして、自動車運転死傷行為処罰法違反(過失傷害)の罪に問われた67歳の男に対する判決公判が3月29日、前橋地裁で開かれた。裁判所は禁錮1年10か月の実刑を命じている。

問題の事故は2015年11月18日の午前7時15分ごろ発生した。安中市松井田町北野牧付近の上信越道上り線・稲村山トンネル(全長110m、片側2車線の緩やかな右カーブ)を出た軽トラックが路上に木材が散乱していることを発見して停止。後続の4台もトンネル内で停止したところ、後ろから減速しないまま進行してきた大型トラックが追突し、停まっていた車両が前方に押し出され、車両6台が関係する多重衝突に発展した。

この事故に巻き込まれた31歳の女性と2歳の女児が死亡。8人が重軽傷を負ったことから、警察は追突してきたトラックを運転していた和歌山県和歌山市内に在住する67歳の男を自動車運転死傷行為処罰法違反(過失傷害)の現行犯で逮捕。検察は2人死亡を受け、罪状を同致死傷に切り替えて起訴していた。

3月29日に開かれた判決公判で、前橋地裁の野口佳子裁判長は「被告が運転していたトラックは事故直前、約90km/hで走行していた」、「事故は被告の脇見運転によって生じた」と認定した。

その上で裁判長は「10人が死傷した結果は極めて重大だが、携帯電話操作のような強い悪質性は認められない」と指摘。被告弁護側からの執行猶予の申し立ては棄却し、被告に対して禁錮1年10か月の実刑判決を言い渡している。

《石田真一》

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