【インタビュー】ダイムラー Gクラス 統括責任者「ユニークさを今後も強調していく」

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ダイムラー Gクラス統括責任者 グンナー・グーテンケ 氏
ダイムラー Gクラス統括責任者 グンナー・グーテンケ 氏 全 8 枚 拡大写真

独ダイムラーで『Gクラス』統括責任者を務めるグンナー・グーテンケ氏は4月4日、都内でレスポンスなどとの共同インタビューに応じ、日本で同日に発売されたGクラスの特別仕様車『G550 4×4 スクエアード』の開発経緯やGクラスの将来性について語った。

----:今回の特別仕様車がAMGではなく、メルセデスブランドで投入した背景は

グンナー・グーテンケ氏(以下敬称略):新開発のV8エンジンをGクラスとしてメルセデスブランドで出すというのがタイミング的に丁度良かった。グローバルでみるとGクラスの2台に1台はAMGモデルとなっており、AMGとは常に非常に緊密にやっている。

----:日本でG550 4×4 スクエアードは5月31日までの期間限定販売となるが、反響次第でその期間が延長される可能性は

グーテンケ:『G63 AMG 6×6』の生産終了時には生産延長を求める声がたくさんあったが、やはり希少性を確保するには、ある時点で生産を打ち切るというのが賢明なやり方と考えている。日本でG550 4×4 スクエアードは販売する期間を限定する。

----:G550 4×4 スクエアードのリアゲートにスペアタイヤが装着されていないが

グーテンケ:ニュールックで、こういうのも面白いのではないかと思った。G550 4×4 スクエアードは車高の高い車なので、スペアタイヤが無い方が箱型のスタイルがより強調されて良いのではないか。

----:6×6や今回の4×4スクエアードに続く限定車はあるか

グーテンケ:当然、次なる限定車に対する期待もでてくるというのは我々もわかっている。まずは、お客様の話を聞くことから始まるのではないか。

----:メルセデスブランドにおけるGクラスの位置づけは

グーテンケ:37年間におよぶGクラスの歴史を振り返ると、Gクラスは常にアイコンであり続けた。またGクラスというアイコンがあるということを会社も本当に誇りに思ってくれている。

組織面からみると、Gクラスチームというのは、ダイムラーの中の会社という感じになっている。我々には開発を始め、生産、販売、マーケティングなど、それぞれに独自の担当者がいる。我々のチームは中規模程度の会社組織といえる。その一方で、技術面に関してはダイムラーという大きな組織の中にいるというメリットも当然享受している。

----:Gクラスはなぜアイコンになり得たのか

グーテンケ:Gクラスを初めて設計、デザインした人は、アイコンにしようとは考えずに造ったと思う。しかしGクラスにはまず機能性、次にデザインが、他の多くの競合車に比べてユニークなところだ。例えばドアを開け閉めした時の音もスペシャルだし、ドアノブも時代がかっている。そこには古き良き時代の自動車産業の伝統を思わせるものがある。しかし実際に座ってみるとラグジュアリーな部分がたくさんあって、ラグジュアリーセダンにあってGクラスにはないというものがない。

----:Gクラスは、いかにしてこれまで同じスタイルを保ち続けることができたのか

グーテンケ:理由のひとつはぶれないということ。車の特徴を変えずに維持してきた。その一方で常に最新の技術を使って、最新のものにするということもやってきた。我々の戦略は、このGクラスのユニークなところを今後も強調していく。それは比肩するものがないというオフロードでの走破性で、我々は開発の初日から一切妥協していない。一方でインテリアはラグジュアリーなものを提供し続けていく。

----:Gクラスをオーストリアのマグナ・シュタイヤー社で生産し続ける理由は

グーテンケ:1979年のGクラスの生産開始から生産パートナーはマグナということでやってきた。37年間ずっと働き続けている人がマグナにはたくさんいる。マグナには伝統、資質があり、手作業でGクラスを造るというノウハウが蓄積されている。そのパートナーシップをとても大切にしており、それを変更する考えはない。

----:Gクラスの統括責任者として日本市場をどう捉えているのか

グーテンケ:日本のお客様というのは期待度が高い。それを日々感じているし、経験もしている。そしてなによりも車好き。Gクラスの特徴をとても好んでくれているので、我々もベストなものを提供しようと努力している。

Gクラスはニッチな製品ではあるが、日本で、そして世界でもGクラスの将来を前向きに見ている。これまで脈々と受け継がれてきたものを考えると、この車をできるだけ長く乗って頂くことが、短期的に成長することよりも大切なことだと思っている。

----:自動運転への対応は

グーテンケ:Gクラスには狭い場所での取り回しをサポートするパークトロニックがあるが、Gクラスをお求めになるお客様はご自身で運転したいという方がほとんど。もちろん最適な車間距離を自動でキープするディストロニック・プラスやブレーキアシストといった安全運転のための支援システムは備えているが、自動運転に関してはGクラスよりも他の車がまず採用することになるだろう。

----:電動化技術への対応は

グーテンケ:ダイムラーの中にはすでに電動化技術がある。Gクラスの電動化はお客様が何を求められるかということにかかってくる。

《小松哲也》

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