大井川鐵道、電機けん引の「長距離鈍行」ツアー開催…約11時間乗り詰め

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大井川鐵道は国鉄の「長距離鈍行」をイメージした列車ツアーを4月23日に開催。写真のスハフ42形(手前)など客車4両で運行する。
大井川鐵道は国鉄の「長距離鈍行」をイメージした列車ツアーを4月23日に開催。写真のスハフ42形(手前)など客車4両で運行する。 全 3 枚 拡大写真

静岡県の大井川鐵道は4月23日、電気機関車と旧形客車を使用した「電気機関車牽引 長距離鈍行列車ツアー」を開催する。

国鉄時代に走っていた、長距離・長時間の普通列車(長距離鈍行)をイメージした鉄道マニア向けのツアー。大井川本線の新金谷(島田市)~千頭(川根本町)間37.2kmを3往復して距離と時間を稼ぐ。全体の走行距離は東海道本線東京~菊川間に相当する223.2kmで、所要時間は10時間57分。途中駅では「ドカ停」と呼ばれる長時間停車が設けられ、長距離鈍行のムードを演出する。

参加者には「昭和っぽいもの」のプレゼントが用意され、行先標(サボ)を持参すれば停車中に取り付けて撮影することができる。また、オプションとして静岡駅で販売されている人気駅弁が用意される。

行程は、新金谷9時48分発~千頭11時14分着・11時55分発~新金谷13時18分着・13時39分発~千頭15時17分着・15時38分発~新金谷17時00分着・17時30分発~千頭18時51分着・19時27分発~新金谷20時45分。1往復目の列車は新金谷駅に9時25分入線、ツアー終了後は新金谷20時50分発の金谷行き臨時列車が運行される。編成はE10形電気機関車(E101)を先頭に、千頭寄りからスハフ42 186、オハ35 22、オハフ33 469、オハニ36 7の客車4両をけん引する。

80人を募集し、旅行代金は大人1万2000円・子供6500円。当日は座席の指定はないが、ほぼ1人1ボックスで着席できる計算になる。ツアー列車の停車駅であれば、どの駅からも乗車できる。申込みは大井川鐵道ウェブサイトで受け付ける。締切は4月7日18時。

かつての国鉄線では、長い距離を走る普通列車が多数運行されていたが、急行列車や特急列車の増強などに伴い運行区間が分割・短縮されるようになり、1970年代末期には長距離を走る普通列車は珍しいものになっていた。その一方、長い時間をかけて走る普通列車の旅行が静かな人気となり、主に山陰本線の門司~福知山間595.1kmを約18時間半かけて走る普通列車(列車番号824)が、とくに人気を集めた。

現在、定期運行のJR普通列車で最も長い距離を走るのは、山陽本線の岡山~下関間384.7kmを7時間33分で結ぶ普通列車(列車番号369M)。最も長い時間をかけて走るのは、根室本線の滝川~釧路間308.4kmを8時間21分かけて走る普通列車(2427D)となっている。

《佐藤正樹(キハユニ工房)》

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