ジェット船「愛」、ピンクの蒸気機関車に恋をする

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セブンアイランド愛
セブンアイランド愛 全 2 枚 拡大写真

恋に理由はない。例えそれが太平洋の離島を結ぶジェット船と山陰のミニ鉄道を走る蒸気機関車であったとしても――。

伊豆諸島に定期航路を持つ東海汽船(東京都港区)は11日、高速ジェット船「セブンアイランド愛」が、営業距離19.2kmの若桜鉄道(鳥取県若桜町)が所有する蒸気機関車C12に片想い中であることを発表した。

「セブンアイランド愛」は東京・竹芝~大島の約120kmを最短1時間45分で結ぶジェット船。ボーイング社製のガスタービンを搭載する高速船4兄妹の1艇で、船体と船内の一部をピンクに飾る。愛はジェット船ながらパソコンを駆使し「インターネットに出ていたピンクの蒸気機関車に恋をした」(東海汽船広報担当)という。東海汽船では、恋の波に揺られる愛が乗客を酔わすことを懸念し、愛に代わってその思いを若桜鉄道に伝えることにしたという。

「遠く離れたあなたに恋をしました」
東海汽船は愛の船内に思いを伝える自前のポスターを掲げてC12を応援する。愛のラブコールは熱烈だ。

東海汽船から話を聞いた若桜鉄道は、こう話す。

「意外なところで意外なつながりがあるものだなあと。実はピンク色のものが県内には、けっこうあるんです。智頭急行さんの恋山形駅は駅舎がピンク色、カレーもマヨネーズも醤油も、特産の野菜ビーツを使ってピンク色になってます。C12がピンク色にするのは初めてなのですが」

愛が恋したのは、武骨な黒色の肉体をピンクに塗り替えた特別な仕様のC12。5月1日の「恋の日」にちなみドレスアップし、8日まで若桜駅内を特別運行するものだ。本来の姿に戻ったC12からピンクの駅舎に目移りするのではないか。

若桜鉄道そのものもプレイボーイだ。3月にはスズキのスーパースポーツ『ハヤブサ』(GSX1300R)を列車にラッピング、隼駅にちなんで若桜駅までの間をバイク20台とパレードまで行っている。愛の一途な思いがもて遊ばれてしまう可能性もある。

この片想いが成就するまでには、まだ波乱がありそうだと、いろいろ考えたが、そこは1980年生まれの愛と1938年生まれのC12。大人の関係だから余計な心配かもしれない。

《中島みなみ》

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