「レール柵の保存予定はない」環状2号、地下トンネル工事が始まった築地市場[フォトレポート]

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築地市場青果門の脇にある鉄柵。1970年前後に製造されたレールを曲げてつくったもの
築地市場青果門の脇にある鉄柵。1970年前後に製造されたレールを曲げてつくったもの 全 24 枚 拡大写真

ことし11月に閉鎖し、機能を豊洲に移す築地市場。その水産部エリアと、東海道線新橋駅南側付近を結ぶかつての引込み線跡が「青果門」付近にある。現存する“レール柵”などについて東京都などは「いまのところ遺構とは考えてない。保存の予定もない」という。

日本テレビやカレッタ汐留といったビルが建ち並ぶ、JR新橋駅と首都高都心環状線にはさまれたエリアは、もともと汐留駅という国鉄の貨物ターミナルだった。昭和の時代、この貨物駅からさらに築地市場まで線路が延びていて、この引込み線の上を「最盛期には1日150輌に達する貨物車が通過した」という。市場の青果門と汐留の間には、引込線があった時代の名残を見つけられる。

現在、ベルサール汐留が入居する住友不動産汐留浜離宮ビルの北側路上に、引込み線が存在したころに使われていた踏切が、モニュメントとして保存されている。その説明板にはこう記されていた。

「浜離宮前踏切 説明 所在地 中央区銀座八丁目21番1号先 この信号機は、昭和6年(1931)から昭和62年(1987)1月31日までの56年間、国鉄汐留駅と東京都中央卸売市場築地市場との間を貨物引込線の踏切用として使用されました。最盛期には1日150輌に達する貨物車が通過しましたが、貨物輸送の変化に伴い、汐留貨物駅廃止と共に引込線も撤去されることになりました。しかしながら、地元民の要望により、銀座には珍しい鉄道踏切信号機として、保存されることになりました。 昭和62年(1987)12月」

そして築地市場青果門の脇には、1970年前後に製造されたレールが残されている。線路ではなく、レールを曲げて鉄柵に仕立てた物件だ。オフィスビルの足元に立つ、「浜離宮前踏切」のように、この“線路の面影”が保存される可能性は低いか。

都は「築地市場の面影を残すと思われる物件を、豊洲で保存・展示するという話もいまのところない」とも話していた。

青果門の脇では、「環状2号線整備事業『地下トンネル(仮称)及び築地換気所(仮称)他築造工事』」が始まった。虎ノ門ヒルズの下を抜け、国道15号(第一京浜)と交差し、首都高都心環状線汐留ジャンクション付近まで延びてきた環状2号は、築地市場の南側地下を抜けて豊洲・有明へと到達する。この築地市場の地下を行くトンネルは、「2019年7月末ごろに工事完了する予定」という。

《レスポンス編集部》

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