【スズキ バレーノ 試乗】ちょっとその存在に疑問を感じてしまうターボの「XT」…諸星陽一

試乗記 国産車
スズキ バレーノ XT
スズキ バレーノ XT 全 10 枚 拡大写真

インドで製造、日本に輸入されるということで大注目となったスズキの『バレーノ』。日本向けのモデルは1.2リットルの4気筒自然吸気+CVTの「XG」と、1.0リットルの3気筒ターボ+6ATの「XT」の2タイプとなる。

【画像全10枚】

XGの車両本体価格141万4800円に対し、XTは161万7840円とXTは約20万円アップ。装備を見るとXTはディスチャージヘッドランプ、革巻きステアリング、アルミホイール、16インチタイヤ…などが装着される。1.2リットル自然吸気4気筒に比べて20馬力/42Nm高いパワー/トルクスペックを持つ1.0リットルターボはプレミアムガソリンを要求する。

しっかりとトルクのあるエンジンなので、発進から力強さを感じることができる。ミッションは6速のATで、パドルシフトによるマニュアル操作も可能。マニュアル時の変速スピードは素早くストレスもなく、スポーティな走りが可能だ。ターボが効く2000~3500回転程度のトルク感は、このエンジンのなかでももっとも気持ちのいい領域。1.2リットルの自然吸気エンジンと比べると確かにトルクフルで走りもキビキビしていると言える。

XTは16インチタイヤを履くこともあり、コーナリングはXGに比べてキリッと引き締まっている。その引き替えと言ってはなんだが、乗り心地はXGよりも振動が伝わってくる印象を受ける。エンジンが3気筒ということもあり、エンジンブレーキ効かせている状況などで少し貧弱な音を発生させる。またアイドリング時の振動も目立つレベルにあるのが残念。1.2リットル自然吸気同様にアイドリングストップ機構も付かない。

衝突被害軽減システムが標準であったり、坂道発進を楽にするヒルホールドシステムやシートヒーターが標準であったりと、安全装備や快適装備ではグレードに関係なく充実した面も見られる。ただ、バレーノというクルマでどこまでユーザーがエンジンのパワーを求めるかが疑問。加えて価格で20万円の差、減税の有無、燃料がプレミアムかレギュラーかの違い…などなどXGとXTではコストも異なる。

価格は装備の差もあるから納得できる面もあるだろう、しかし減税や燃料の違いなどは技術で克服するべき問題ではないだろうか? 日本車は仕向地に合わせてきめ細かい仕様変更をしている。左ウインカーレバーのまま右ハンドルにして売っている欧州メーカーとは異なる。ましてや日本の会社が日本の地でクルマを売るのだ。バレーノに減税が必要か否か? プレミアガソリンは正しいのか? はわかっているはず。ターボを導入するなら、それは克服するべき項目だったのではないだろうか?

■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★
フットワーク:★★★
オススメ度:★★★

諸星陽一|モータージャーナリスト
自動車雑誌の編集部員を経て、23歳でフリーランスのジャーナリストとなる。20歳代後半からは、富士フレッシュマンレースなどに7年間参戦。サーキットでは写真撮影も行う、フォトジャーナリストとして活動中。趣味は料理。

《諸星陽一》

諸星陽一

自動車雑誌の編集部員を経て、23歳でフリーランスのジャーナリストとなる。20歳代後半からは、富士フレッシュマンレースなどに7年間参戦。サーキットでは写真撮影も行う、フォトジャーナリストとして活動中。趣味は料理。

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