ホンダ、タイ新工場に「セル生産」を組み込んだ新発想の組み立てライン

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ホンダ タイ工場のARCライン
ホンダ タイ工場のARCライン 全 3 枚 拡大写真

ホンダは4月21日、タイで3月に稼働した新四輪車工場の組み立てラインに、作業者が通常より多めの工程を担当する「セル生産方式」を部分的に採用した新発想ラインを導入したと発表した。

円形の台車ユニット上に車体と必要な部品のセットを乗せ、4人でチームを組んだ作業者が台車ユニットに乗って担当する部品を組み付けていく仕組みだ。車体を前部、後部、右側、左側と4つに区分けして作業者の分担を決めており、それぞれの組み付け部品も別々に4つの専用棚にセットされている。

自動車の量産ラインでのこうした方式は「世界初」としており、ホンダは「ARC(アーク)ライン」と名付けた。部品を選び、持って歩くといった組み付け作業以外の無駄な時間を削減できるのが大きな特徴だ。同社の既存ライン方式に比べ、作業効率は約10%向上したという。そのうちのほとんどは作業者の歩行時間の削減だとしている。部品の供給が効率よくできるため、部品運搬の作業量も約10%削減できた。

導入したのはタイの新拠点であるプラチンブリ工場。年産能力は12万台で『シビックセダン』の生産から着手している。ARCラインは組み立ての本ラインから分岐する形で3カ所に配置され、各5チームが組み立て作業に従事している。台車ユニットは合計で50セット使われている。また、ARCラインでの作業量は、時間ベースで全組み立て工程の約3割を占めるという。この工場での成果を見ながら、世界で他工場への展開を検討していく。

新ラインの開発責任者であるホンダエンジニアリングアジアの小佐々伸大・エグゼクティブコーディネーターは、「組み付け工程が増えた場合や増産する場合には台車ユニットを追加することで、“変幻自在”に対応できる。床にピットを設置する必要がないなど工場建屋の投資削減にもつながる」と、説明している。

《池原照雄》

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