ホンダの新組み立てライン開発責任者「“創る喜び”を掘り下げ」

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ホンダエンジニアリングアジアの小佐々伸大氏
ホンダエンジニアリングアジアの小佐々伸大氏 全 3 枚 拡大写真

ホンダは4月21日、3月に稼働したタイの新工場の組み立てラインに、自動車の量産ラインでは「世界初」という生産方式を導入したと発表した。実現を図ったホンダのグループ会社の開発責任者は「ホンダの理念である“創る歓び”を掘り下げたかった」と、語った。

この新ラインは、「ARC(アーク)ライン」と呼んでおり、作業者が通常の自動車組み立てラインより、多めの工程を担当する「セル生産方式」を部分的に採用している。円形の台車ユニットに車体と必要な部品、さらに4人チームの作業者が乗って、それぞれ複数の部品組み付け工程を担う仕組みだ。

これまでの方式に比べて作業者が歩行する時間を大幅に削減でき、ホンダの社内比較では作業効率が約10%向上できたという。新生産方式の開発では、グループで生産設備を担当するホンダエンジニアリングアジアの小佐々伸大・エグゼクティブコーディネーターが責任者を務めた。

小佐々氏は「プラモデルがそうであるように、モノをつくることには潜在的な喜びがある。自動車の組み立て工程でのそうした喜びは、むしろ広い範囲の工程を担当することだと考えた」と、新ラインの着想を説明した。その手段として採用したのが、少量生産車両などで使われる「セル生産方式」だった。従来の組み立てラインと融合させることで、量産工場への展開でネックとなる生産性の課題などをクリアした。

チームで一定範囲の作業に当たることから「熟練者が新人を指導するなど人材育成の効果も大きい」(小佐々氏)と評価している。タイの工場では約60人がARCラインに従事しているが、「このラインに就きたいという希望者も多い」と、小佐々氏は従業員の反響にも手ごたえを感じている。

《池原照雄》

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