21日、SUPER GTシリーズを運営するGTAは、九州地方での一連の地震の影響を考慮し、1カ月後の5月21~22日に開催予定だった大分県・オートポリス大会(今季第3戦)の延期を決定した。
大分県日田市上津江町にあるオートポリスは熊本県にも近く、熊本空港の利用を含めた交通および宿泊の面を考慮すると、大分と熊本、両県のサーキットという地勢的性格を有している。 4月14日夜の熊本での「前震」発生を受け、同18~19日に予定されていたSUPER GTの公開テストは周辺道路状況等を考慮し、すぐに中止が決定されていた。
さらに16日未明(15日深夜)には「本震」が発生し、大分県側にも地震が相次いだわけだが、これによってオートポリスは5月15日までの施設クローズを決定、SUPER GT第3戦の開催については「検討中」としていた。その後GTAとオートポリス、関係各所が調整した結果、やはり「周辺の環境、ご来場される皆様の安全を考慮し、サポートイベント(FIA-F4)を含め延期することに致しました」(GTAのリリースより)。
「延期」なので、今後は代替日程等が注目されることになるが、GTAは「熊本や大分地方で現在も余震が継続して発生している状況ですので、慎重に状況を把握し、改めてご案内させて頂きます」としている。
シーズン中盤以降、日本の4輪トップモータースポーツは日程がタイトで、しかもSUPER GTの場合は10月にタイ大会がある関係上、輸送の影響でその前後しばらくは国内戦の開催が難しいという側面もある。日程調整には、他サーキットや他カテゴリーとの協調による複合的な変更が必要になってくるかもしれない。
なお、GTAはリリース冒頭で「被災された方々に心よりお見舞い申し上げると共に、亡くなられた方やそのご家族にはお悔やみを申し上げます。また、一日も早く復旧が進むことをお祈りすると同時に、被災された皆様が平穏な日々を取り戻せるようお祈り申し上げます」と声明している。また、今週末に鈴鹿で開幕するスーパーフォーミュラでも九州を応援する「がんばろう! 九州」の動きがいくつか具体的にとられることが明らかになってきた。
東日本大震災の時と同じく、モータースポーツ界は一丸となって被災地に寄り添っていく。