【ハーレー ローライダーS 試乗】ワインディングで真価を発揮する足まわり…青木タカオ

モーターサイクル 新型車
アメリカ・ロサンジェルス郊外で徹底試乗したローライダーS
アメリカ・ロサンジェルス郊外で徹底試乗したローライダーS 全 41 枚 拡大写真

アメリカ・ロサンジェルス郊外にて、ハーレーダビッドソンのニューモデル『ローライダーS』に早速試乗した。まずは市街地を軽く流したが、空冷Vツインエンジンの力強さがこれまでとは別次元。スロットルレスポンスが鋭く、ダッシュも強烈だ。

スタンダードのローライダーが1584ccなのに対し、上級版のSでは排気量を1801ccに上げただけでなく、ヘビーブリーザーインテークを備えるなどして吸気系にも手が加えられているからで、ハイウェイに上がってからも余裕のクルージング。制限速度75mph(約120km/h)をトップギア6速、わずか2800回転ほどでこなしてしまう。

新たに装備したクルーズコントロールも、こちらの広い道でこそ威力を発揮する。操作に慣れれば、手放せなくなるコンフォート性を高める電子制御装置だ。

しかし満足するのはまだ早かった。ローライダーSが真価を発揮するのは、ワインディングに入ってからだった。州道2号線、LAのライダーたちがこぞって走りにくる有名なマウンテンコース、通称「エンジェルス・クレストハイウェイ」の大小さまざまなコーナーをじつに軽快に駆け抜けていく。

前後サスペンションのストローク量に余裕があり、たとえコーナリング中にギャップを拾ってもハンドルが振られるようなことはなく、衝撃をしっかり吸収する足まわりがあるおかげだ。

もちろん前後17インチを履く、スポーツネイキッドのような敏感さはないが、安定性と旋回力が同調し、リア荷重で安心して攻め込める快活な走りは、オーソドックスなフロント19インチならでは。

アンダーステア気味で、リアタイヤの路面追従性が高く、前輪がこれに負けているという「昔ながらのハンドリング」は、何らかのアクションに対して急激に反応する最近のスポーツバイクにはない大らかさがあり、これがまた魅力。

落ち着いてゆったりと動く鉄フレームの大排気量車でコーナーを攻める楽しさ。トラクションに優れるハーレーのVツインでこれが味わえるのだ。

■5つ星評価
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★
コンフォート:★★★★
足着き:★★★★★
オススメ度:★★★★★

青木タカオ|モーターサイクルジャーナリスト
バイク専門誌編集部員を経て、二輪ジャーナリストに転身。国内外のモーターサイクルカルチャーに精通しており、取材経験はアメリカやヨーロッパはもちろん、アフリカや東南アジアにまで及ぶ。自らのMXレース活動や豊富な海外ツーリングで得たノウハウをもとに、独自の視点でオートバイを解説している。現在多くのバイク専門誌、一般誌、WEB媒体で執筆中。

《青木タカオ》

モーターサイクルジャーナリスト 青木タカオ

バイク専門誌編集部員を経て、二輪ジャーナリストに転身。多くの専門誌への試乗インプレッション寄稿で得た経験をもとにした独自の視点とともに、ビギナーの目線に絶えず立ち返ってわかりやすく解説。休日にバイクを楽しむ等身大のライダーそのものの感覚が幅広く支持され、現在多数のバイク専門誌、一般総合誌、WEBメディアで執筆中。バイク関連著書もある。

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