【スズキ バレーノ】ACCも使える「レーダーブレーキサポート2」は自然な制御が魅力

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スズキ バレーノ 1.0Lターボ「XT」セットオプション車
スズキ バレーノ 1.0Lターボ「XT」セットオプション車 全 10 枚 拡大写真

スズキ『バレーノ』ではセンサーにミリ波を使った「レーダーブレーキ サポート2」を標準装備した。昨年秋から販売が開始されたコンパクトSUV『エスクード』に採用されたものと同じシステムだ。ACC(Adaptive Cruise Control)も備えるその使い勝手を試した。

スズキはこれまで衝突被害軽減システムとして、軽自動車『スペーシア』『ハスラー』、Aセグメントの小型車『ソリオ』『イグニス』などにステレオカメラを使った「デュアルカメラブレーキ サポート」の搭載を進めてきた。センサーにカメラを使うため、形状認識が可能となり、歩行者やクルマなど幅広い対象物を検知できるメリットがある。反面、幅が狭いステレオカメラであるために、遠方の車両検知には制約が出る。それが、先行車に追従して速度を自動調整するACC機能を備えていない理由となっている。

これに対して、バレーノやエスクードに搭載した「レーダーブレーキ サポート2」では、遠方まで車両を捉えられるミリ波をセンサーに採用した。先行車との相対速度が15km/hまでなら衝突を回避できる他、移動している車両に対しては5km/h~100km/hまで対応することが可能となった。さらに先行車に追従して走行できるACCも装備。ドライブのアシストという面では大きな魅力を生み出している。

ただ、ミリ波は特性上、電波を吸収する物体(たとえば歩行者など)に対する検知能力はあまり高くない。そのため、ミリ波をセンサーに採用する「レーダーブレーキ サポート2」では歩行者をサポートの対象とはしていない。スズキの四輪安全・情報設計部の岡本桂喜氏によれば「欧州でACCは欠かせない装備」になるそうで、エスクードも含め、展開するメインの地域が欧州であることが採用システムの違いとなったようだ。

さっそくバレーノで東名高速へ出て、ACCを試してみた。驚いたのはその自然な制御ぶりだ。設定を制限速度ギリギリの100km/hに設定し、まずは少し遅めの先行車に追従してみる。車間は3段階で調整でき、車間を切り換える度にリニアに調整する自然さが感じられた。

次に先行車がいない追い越し車線に移動すると、急激に加速するのではなく、エンジンの回転を高めながらヤンワリと加速を始める。それでいて決してもどかしさを感じさせない。CVTを採用する1.2リットル車では若干エンジン音の高まりが気になったが、6速ATの1.0リットルターボ車ではその加速感がとても自然で心地良く感じられた。また、クルージング中に割り込みが入っても、ブレーキがショックを感じさせなかった。

岡本氏は「ACCで評価が高いVW『ゴルフ』をベンチマークとして参考にさせてもらった。制御はかなりイイ線まで追い込めたと考えている」と語ったが、まさにその言葉通り。ただ、バレーノではゴルフのようにACCが全車速追従とはないっていない。設定車速は約40km/h~約100km/hで、約30km/h以下まで速度が落ちるとACCが自動的に切れてしまう。つまり、渋滞時には使えないのだ。

とはいえ、このACCが搭載されたことで、ドライブの快適さは格段に向上する。一度使い出したらその快適さに手放せなくなることだろう。今後はカメラとの組み合わせるなどして、衝突被害軽減システムも含めた能力向上を期待したい。それに加え、このクラスとしてサイド/カーテンシールド エアバッグの設定がないことも改善点として要望したいところだ。

《会田肇》

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