【アウディ A4アバント 試乗】艶っぽいけど目立ちすぎない、そして内容はいい…諸星陽一

試乗記 輸入車
アウディ A4アバント 2.0TFSIスポーツ
アウディ A4アバント 2.0TFSIスポーツ 全 13 枚 拡大写真

アウディのボリュームゾーンである『A4』のワゴンモデル「アバント」が5代目にあたる新型に移行。試乗の機会を得た。

国産のワゴンがどんどん減っていくなか、ワゴンファンにとって欧州製ワゴンは貴重な存在となっている。なかでもアウディA4のようなミディアムクラスのワゴンは、日本の道路での使い勝手もよく、注目度が高い。試乗したのは2リットルのターボエンジンを積むFFモデルのアバント「2.0TFSIスポーツ」。エンジンのスペックは190馬力/320Nmで7速のSトロニック。

クルマ全体から漂うプレミアム感はなかなか高い。エクステリアもインテリアも端正でスキがなく、メッキパーツやLEDなどが艶っぽく使われている。乗り込むとカッチリとした感触を持つシートが出迎えてくれる。シートの感触だけで、ドイツ車であることを感じることができる。パワーフィールは発進時から力強い。Sトロニックはダイレクト感のあるトルク伝達を行いつつ、変速のショックもほとんど感じさせない。マニュアルで変速した際の機敏さも気持ちいい。

乗り心地は少し固め。試乗車はSラインパッケージ装着車で、タイヤがブリヂストンのポテンザS001、サイズが245/40R18と低扁平タイプだったことを考えれば、十分なレベルと言えるだろう。標準のタイヤサイズは225/50R17、同じエンジンを積むひとつ下のグレードの2.0TFSIは205/60R16となる。比較はしていないが、60タイヤならばかなりしっとりした乗り心地になるだろう。

ハンドリングはスポーティで気持ちいい。ステアリング操作に対するクルマの動きは素直で正確。1.5トンのボディを持つワゴンはとしてはかなり軽々とした動きが可能だ。また、速度が上がっていくにしたがってクルマに安定感が増していくところもドイツ車らしい。設定速度が違うんだろうなあ…としみじみ感じる。

さて、今回の試乗車2.0TFSIスポーツは標準状態で585万円、試乗車はSラインパッケージとマトリクスLEDヘッドライトパッケージが装着され662万5000円のプライス。パッと見た感じでは、そこまでの価格は感じない。これをよしとするならアウディA4の価値は高い。逆にクルマの価格を主張したいタイプの人にはもの足りないかもしれない。そのあたりがアウディA4アバントを選ぶか否かのひとつの判断基準となるだろう。目立たない、でもいいクルマがほしい…を満たしてくれるのがA4アバントだ。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★

諸星陽一|モータージャーナリスト
自動車雑誌の編集部員を経て、23歳でフリーランスのジャーナリストとなる。20歳代後半からは、富士フレッシュマンレースなどに7年間参戦。サーキットでは写真撮影も行う、フォトジャーナリストとして活動中。趣味は料理。

《諸星陽一》

諸星陽一

自動車雑誌の編集部員を経て、23歳でフリーランスのジャーナリストとなる。20歳代後半からは、富士フレッシュマンレースなどに7年間参戦。サーキットでは写真撮影も行う、フォトジャーナリストとして活動中。趣味は料理。

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