【スズキ バレーノ 試乗】この値段だったらぜんぜんOK!な「XG」…中村孝仁

試乗記 国産車
スズキ バレーノ XG
スズキ バレーノ XG 全 5 枚 拡大写真

国産のBセグメントと言えば、トヨタだったら『アクア』、日産なら『ノート』、ホンダだと『フィット』等々、結構主力級のモデルが多い。そんな中でバレーノの特徴は、何といっても値段の安さである。

【画像全5枚】

そもそも、141万4800円という値段、これで、まあしょぼい装備もあるけれど、一通り何でも揃っていて、正直軽自動車並みの値段、というかむしろ安いくらいの価格はかなりのアピール度を持っていると思う。例えばエアコンはマニュアルだが標準装備。シートヒーターだってドライバーズシートには標準装備。安全面のミリ波レーダーによるレーダーブレーキサポート2だって標準装備である。少なくともボディサイズが大きい分、軽自動車よりは確実に安全マージンが高いから、車庫の物理的余裕と税金などによる経済的問題がない場合は、チョイスの候補に上げても良いのではないかと思った。

さすがに全幅が1745mmあって、3ナンバーサイズとなってしまうから、同じBセグメントを検討している人も、えっ?5ナンバーじゃないの?と感じる人もいるだろう。しかし、このサイズはグローバルスタンダードとして見た時には当たり前になりつつある。デカいというなかれ。これで側面衝突のマージンがだいぶ稼げるという安全面のアドバンテージが増えるのだから、大目に見てやって欲しいわけである。しかもゴルフバッグだってテールゲートを開けたらそのまま横に積載できる…等々、幅が広いがゆえのメリットもあるわけなのだ。

XGのエンジンは1.2リットル直4のK12Cユニット。『ソリオ』に搭載されているエンジンと同じである。ただし、マイルドハイブリッドではないし、何とアイドリングストップもつかない。とはいえ、エンジンの静粛性とスムーズさはやはり4気筒なりの良さを持っているし、CVTと組み合わされているとはいえ、エンジン音の高まりに対するスピードの付きが希薄という違和感も、それほど大きいわけではない。

元々CVTはメーカーがモード燃費対策として使う傾向が強く、はっきり言ってしまえばそれが最善だからとして使っているメーカーなどないような気がする。まあ、コンパクトに作れるメリットはあるが、ではステップATやDCTに対して動的性能に分があるかというと、完全に無い。強いてあるとすれば、日常的なスピードにおけるシームレスな加速感ぐらいだろうか。

同じエンジンを積むソリオに対してバレーノが勝っていたのはハンドリングだ。このクルマ、しっかりとしたキャスターアクションがある。燃費重視だとフリクションを減らしたいから、どうしてもセルフステアの傾向を希薄にしてしまうが、こいつはちゃんとした手応えがあった。そこは大いに褒めるべきだと思う。

ターボモデルの「XT」で感じられたステアリングに入力される微振動は、こちらでは全く検知されない。タイヤも15インチの175/65R15を装着するから、乗り心地という点ではこちらの方が快適(対XT比)だし、元々運動性能を強調するような仕様ではないので、ハンドリングもまあこの程度で十分と思えた。

さすがに全体的な作りがチープな印象は否めないが、そのお値段に免じて許せるかと思う。敢えて言わせてもらえば、こいつをベースにもっとラグジジュアリー化できるオプション設定をして欲しいものだ。

■5つ星評価
パッケージング ★★★★
インテリア居住性 ★★★★
パワーソース ★★★★
フットワーク ★★★★
おすすめ度 ★★★★

中村孝仁(なかむらたかひと)AJAJ会員
1952年生まれ、4歳にしてモーターマガジンの誌面を飾るクルマ好き。その後スーパーカーショップのバイトに始まり、ノバエンジニアリングの丁稚メカを経験し、その後ドイツでクルマ修行。1977年にジャーナリズム業界に入り、以来38年間、フリージャーナリストとして活動を続けている。

《中村 孝仁》

中村 孝仁

中村孝仁(なかむらたかひと)|AJAJ会員 1952年生まれ、4歳にしてモーターマガジンの誌面を飾るクルマ好き。その後スーパーカーショップのバイトに始まり、ノバエンジニアリングの丁稚メカを経験し、さらにドイツでクルマ修行。1977年にジャーナリズム業界に入り、以来45年間、フリージャーナリストとして活動を続けている。また、現在は企業やシニア向け運転講習の会社、ショーファデプト代表取締役も務める。

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