【BMW 225xe アクティブツアラー 試乗】日本でうける要素満載だが、ライバルも多数…諸星陽一

試乗記 輸入車
BMW 225xe アクティブツアラー
BMW 225xe アクティブツアラー 全 9 枚 拡大写真

BMW『2シリーズ』ツアラー系、「アクティブツアラー」をプラグインハイブリッド化したモデルが『225xeアクティブツアラー』。

225xeアクティブツアラーのプラグインハイブリッドシステムは、フロントタイヤをエンジンで駆動、リヤタイヤをモーターのみで駆動するという方式。搭載されるエンジンは1.5リットルの直列3気筒で、スペックは136馬力/220Nm。モーターは88馬力/165Nm。システム出力は224ps/385Nm。駆動用バッテリーはリチウムイオンで7.7kWhの容量が用意されている。

ヒンジドア4枚とリヤハッチのパッケージングで、シートレイアウトは2列5人乗り、リヤシートは4対2対4の分割可倒ができるタイプ。全長は4355mm、全幅は1800mm、全高は1550mmといわば日本車がもっとも得意とする分野にやってきたBMWのプラグインハイブリッドだ。

走りはなかなか力強い。オートeドライブモードではモーターとエンジンが上手にトルクを出し合っての走行。安定感もあり加速も速い。BMWのデータによれば、0-100km/h加速は6.7秒。218iが9.2秒、218dが8.9秒だというから225xeの加速がいかに速いかが分かるだろう。駆動力が前後のタイヤに配分されているのも安定感を高めている要因のひとつ。マックスeモードを選ぶと125km/hまでモーターのみ(つまり後輪駆動)での走行が可能。抜群の安定感を示すオートeドライブは、凍結路面でも大いに役立ってくれることだろう。ただし3気筒エンジン特有の振動は消しきれていない部分もある。

バッテリーの充電は200Vで行い。容量ゼロであっても3時間で可能。満充電の場合、JC08モードで42.4kmの走行が可能。日本の一般的な通勤などの使用では、エンジンを始動することなく使い続けることもできるレベルを確保している。

ハンドリングは安定感もしっかり感もあり、コーナーでもタイヤが路面をガッシリつかむ。ただ乗り心地は微妙で、少し振動が多い。ドライバーズシートに座っているとさほど気にならないのだが、今回の試乗では助手席と後席にも乗る機会があり、乗る位置によって若干の乗り心地に違いを感じた。助手席では微振動を感じることが多く、後席ではピッチングの大きさを感じた。また後席は2シリーズツアラー系共通の弱点として、クッション全長が短いことによる、座り心地が落ちつかないという点もある。

車両本体価格は488万円。購入時、自動車取得税・重量税が免税で、翌年度の自動車税も75%減税となる。BMWというブランドをこのプライスで手に入れられるのは大きな魅力だが、まわりをみれば国産車のライバルもたくさん存在しているのもまた事実だ。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★

諸星陽一|モータージャーナリスト
自動車雑誌の編集部員を経て、23歳でフリーランスのジャーナリストとなる。20歳代後半からは、富士フレッシュマンレースなどに7年間参戦。サーキットでは写真撮影も行う、フォトジャーナリストとして活動中。趣味は料理。

《諸星陽一》

諸星陽一

自動車雑誌の編集部員を経て、23歳でフリーランスのジャーナリストとなる。20歳代後半からは、富士フレッシュマンレースなどに7年間参戦。サーキットでは写真撮影も行う、フォトジャーナリストとして活動中。趣味は料理。

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