【ダイハツ ブーン&トヨタ パッソ試乗】コストパフォーマンスはバツグン、普段乗りにベストな1台…諸星陽一

試乗記 国産車
トヨタ パッソ と ダイハツ ブーン シルク
トヨタ パッソ と ダイハツ ブーン シルク 全 12 枚 拡大写真

ダイハツ『ブーン』とトヨタ『パッソ』がフルモデルチェンジ。3代目へと移行した。新型は1リットル3気筒のみとシンプルな設定となった。

試乗車は「ブーン シルクGパッケージSAII」と「パッソX Gパッケージ」の2台。こうした組み合わせとなったのは、どの試乗車、どの撮影車を選んでも走りの要素としては変わりがないとのことだったからにほかならない。

搭載されるエンジンは69馬力/92Nmで、CVTが組み合わされる。今回搭載されたエンジンは吸気ポートとインジェクターのデュアル化、レギュラーガソリンのままでの高圧縮(12.5)化、アトキンソン化などにより28.0km/リットルというJC08モード燃費を実現している。

最初に乗ったのはブーン。加速感はスムーズで3気筒というハンデを感じさせない。CVTが上手にカバーしている部分もあるのだが、それにしても振動やノイズに関しては上手に消している。69馬力という数値は低めな印象を受けるが、これがびっくりするくらいによく走る。上り勾配でも普通以上、スポーティな走りをしても極端な力不足を感じることはなかった。

パワーユニット&駆動系はその完成度の高さに驚かされたのだが、ちょっと困った問題があった。それはパッソに乗り替えたら、アイドリング時とそこからの加速時に振動を感じてしまったこと。エンジニアに確認したところ、仕様に差はないという。ならば、個体差ということになるが、発売されるクルマにどちらが多いのか? はかなり気になる部分だ。

フロントにストラット、リヤにトーションビームというコンベンショナルな設定の足まわりを持つブーン&パッソだが、サスペションそのもの、取り付け、ボディの各剛性が高くしっかりしている印象。ステアリング操作に対するクルマの動きは正確で、キビキビ感もある。装着されているタイヤはダンロップのエナセーブEC300+。少し固めのタッチだが全体としてのバランスはいい。ハンドリングに関しては車両間での差は感じられなかった。

価格について少し考えてみたい。ブーンを例にすると新型は2WDで115万200円~165万7800円。先代は126万3600円~136万800円という価格帯。装備の差などを詳しく検討しないと正確な比較はできないが、ベースモデルの価格が落ちているのは興味深い。それはエンジンをはじめとして、ボディやサスなどがかなり新しくなっているから。エンジンに関してはデュアルインジェクター化されているのでインジェクターの数だけ見ても2倍になっている。ベース車でも最上級でも変わらない部分をグレードアップを行いつつ、価格がダウンしているのは非常に興味深い。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★★★

諸星陽一|モータージャーナリスト
自動車雑誌の編集部員を経て、23歳でフリーランスのジャーナリストとなる。20歳代後半からは、富士フレッシュマンレースなどに7年間参戦。サーキットでは写真撮影も行う、フォトジャーナリストとして活動中。趣味は料理。

《諸星陽一》

諸星陽一

自動車雑誌の編集部員を経て、23歳でフリーランスのジャーナリストとなる。20歳代後半からは、富士フレッシュマンレースなどに7年間参戦。サーキットでは写真撮影も行う、フォトジャーナリストとして活動中。趣味は料理。

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