【ルマン24時間 2016】悲願の初制覇狙うトヨタ、「敗者のままでいいのか」のメッセージ掲げる

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トヨタの今季型LMP1-Hクラス参戦マシン「TS050 HYBRID」。
トヨタの今季型LMP1-Hクラス参戦マシン「TS050 HYBRID」。 全 8 枚 拡大写真

20日、世界耐久選手権(WEC)に参戦しているトヨタGAZOOレーシングが、約1か月後に迫ったルマン24時間レース(WEC第3戦)に向けてのメディア説明会を都内で実施。刺激的なメッセージも採用するなどした積極的なマーケティング展開をしていく旨が語られている。

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「トヨタよ、敗者のままでいいのか。」

日本の大会社のスポーツ活動におけるマーケティング展開で使われるメッセージフレーズとしては、なかなかに刺激的ではないだろうか。この日、ルマンや富士戦(10月16日決勝)を含むWECでのマーケティング展開についての説明を行なったのは、トヨタの沖田大介・モータースポーツマーケティング部 部長。昨年から同部を担当しているという沖田部長は、モータースポーツの現場を見て「ふたつの悔しさを感じていました」と話す。

ひとつは、シンプルにトヨタがルマン24時間レースでまだ総合優勝を果たしていないことだ。2014年にWECのシリーズタイトル(ドライバー&マニュファクチャラーの2冠)こそ掴んでいるが、タイトル以上の価値をもつと言って過言でないルマン総合優勝の栄誉には、現行WEC発足以前の断続的な長い挑戦史を含め、まだ勝てていないのである。「ドイツ勢(17勝のポルシェ、13勝のアウディ)の後塵を拝していることは、やはり悔しいです」と沖田部長。

マシン開発を指揮する村田久武・モータースポーツユニット開発部 部長も「過去にルマン総合2位が4回、トヨタはシルバーメダルホルダーなんですよね。まだ、あそこ(ルマンの表彰台の頂点)に登ったことがないわけです。なんとしても勝ちたい、というのがOBの人たちも含めた我々の総意です」と悲願のほどを語る。

その“第一の悔しさ”を、まさにストレートにぶつけたのが、「トヨタよ、敗者のままでいいのか。」のメッセージである。まさに不退転の決意、背水の陣とも言っていいほどの勝利への渇望だが、自信も伝わってくるところだ。勝利への一定以上の手応えがない限り、こういったフレーズは使えないだろう。

先のWEC第2戦、ルマン前哨レースでもあるスパ・フランコルシャン戦で、最終的に勝てはしなかったものの、トヨタの今季型LMP1-Hクラスマシン「TS050 HYBRID」は高いレースパフォーマンスを発揮し、アウディやポルシェを大きくリードする局面が長く続いた。手応えあり、だったことは想像に難くない内容。だからこのフレーズが使えた、ということではないとも思うが、並々ならぬ決意と自信が溢れ出ていることは間違いない。

また沖田部長には、もうひとつの悔しさもあった。第二の悔しさ、それは「村田たち技術陣が命がけで取り組んでいることであり、ドライバーたちはまさにアスリート。ルマンでは国のプライドを背負って戦うという面もあるなど、モータースポーツは本当に素晴らしい世界なのですが、まだまだ日本のみなさんに知ってもらえていないことです」。

そこを国内に大きくアピールする目的も、「トヨタよ、敗者のままでいいのか。」という自らに対して辛口なメッセージを使ってのマーケ展開を敢行する理由だという。既存のモータースポーツファン以外の耳目をまずは惹きたい、というところなのだ。

WEC第3戦というよりは、世界3大レースのひとつであり、スポーツカーレースの世界最高峰イベントであるルマン24時間レース。フランスのサルト・サーキットを舞台に、今年は6月18~19日を決勝とするスケジュールで開催される。総合優勝は、ほぼ間違いなくLMP1-Hクラスの3メーカー、トヨタ、アウディ、ポルシェの計6台のなかから出ることになるが、トヨタが悲願の初制覇を果たせるか否かが最大の焦点だ。そして大一番に向けてのトヨタのマーケ戦略にも大いに注目である。

《遠藤俊幸》

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