【インタビュー】ZF ハンス=ヨルグ・ドミアンVP 「TRWとのシナジーは無限大」 日本市場の展開にも注力

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ZFジャパン代表取締役 ハンス=ヨルグ・ドミアン氏
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自動車テクノロジーの進化において今後重要視される「自動運転」。今、その領域に対しメーカーだけでなくサプライヤーも熱い視線を注いでいる。その中でもレスポンスはグローバルサプライヤーであるZFに注目。「人とクルマのテクノロジー展2016」の同社ブースにおいて、ZFジャパン代表取締役でZFグループ ヴァイスプレジデント、研究開発部門責任者も務めるハンス=ヨルグ・ドミアン氏(工学博士)に、来るべき自動車世界のメガトレンドにどのように対応していくか、また日本での展開・人材獲得についてインタビューを行った。

----:ZFといえばトランスミッションを始めとしたハードウエアの印象が非常に強く、日本でも同様のイメージで認知されています。ところが今回の出展では自動運転やソフトウエアの領域での出展が目立ちました。その意図をお聞かせください。

ドミアンVP(以下:敬称略):今回、サプライヤーとしては最大級の展示スペースを確保しました。もちろん大きさだけではなく内容も充実していることは言うまでもありません。それだけ日本のマーケットに力を入れていこうという当社の戦略を現しています。自動運転に関してはどの企業も効率や安全性を重視して開発を行っていると思いますが、我々は自動運転に関して「See」(見る)「Think」(考える)「Act」(動かす)をコンセプトに、総合サプライヤーとしてアピールしていくつもりです。

----:昨年TRWを買収したことは大きなニュースとなりましたが、総合サプライヤーとして成長していくための布石だと捉えています。研究開発面で買収による変化は現れていますか?

ドミアンVP:ここ2~3年では一番大きな案件ということもあり、社内でも驚きがありました。これまでのシャシー技術などはもちろん重要ですが、これから必要なのはZF TRWの強みであるテクノロジーです。当社には「ZFストラテジー2025」という企業戦略があるのですが、これから鍵となるイノベーションは安全性だと考えています。ゆえに調査を重ねて買収を決断しましたし、結果として世界第3位のサプライヤーになりました。

自動運転に関しては最適化を図る意味でも、ブレーキとドライブラインを統合し、ブレーキをなるべくかけずにそのエネルギーを回生に利用しています。また電動化によるブレーキのフィーリングに関しても、従来のクルマと変わらないよう工夫することでトータルでの燃費効率を向上させています。

買収によるシナジー効果で申し上げると、ZFのステアリングとZF TRWのステアリングを前後に使いコンビネーションすることで、安全性を二重に高めるといった研究は進めています。その他にもアイデア自体は無限大にありますが、企業秘密ですので・・・(笑)。 ここではお話できませんが、近い将来、アイデアを皆様にお見せすることができるはずです。

----:ソフトウエアとハードウエアに関しては開発速度に差があると思いますが、その部分をどのように埋めていこうとお考えですか?

ドミアンVP:まず申し上げたいのは、これまでのトランスミッションもハードウエアだけでなく、その中には洗練されたソフトウエアも採用されていますし、当社はソフトウエア経験も豊富だということです。もちろん今後はスピードという点で考慮する必要はありますが、メカトロニクスの領域において「スマート&インテリジェンス」を重視してチャレンジすることで、ソフト・ハードそれぞれの開発効率の差も埋まっていくと考えています。

----:現在、日本にR&Dセンターを新設するなど投資なども積極的です。日本も含めたアジア市場についての戦略をお聞かせください。

ドミアンVP:当然のことですが、日本は世界における自動車産業の1/3の生産を行っています。そこには当然当社が貢献できることは数多くあり、その面でもスタッフの数を増やし、工場や施設を増やしていくことを考えています。

日本企業はこれまで系列という縛りのような構造がありましたが、今やグローバル化が進み、その構造も変化してきました。ゆえに元々系列に属していない当社は、どんどんメーカーに直接交渉できると考えています。何よりも当社は世界40カ国、230以上の拠点でエンジニアリングと生産に携わっていますので、これを日本の企業がうまく活用してくれると嬉しいです。

----:ヒューマンリソース(人材)の領域では、日本市場においてどのように注力していくのでしょうか?

ドミアンVP:この3年間で50~70名程度採用する予定です。様々な業務がある中、メーカーの要件を満たし、サポートを行う。そして当社の製品を理解してもらい、存在感を高める人材を集めていきたいと思います。

----:そうした人材を採用するための秘訣はどこにあるのでしょうか?

ドミアンVP:当社ではテクノロジーに関して積極的な投資を行っているので、エンジニアとして「働きたい」と思える機会がたくさんあるということが強みだと考えています。

また日本法人に入社しても、しばらくしたらヨーロッパで働いたり、その後も他の地域で経験を積んだりする機会も数多く提供できます。実際、ZFジャパンに入社した方で、現在ドイツやアメリカへ行き仕事をしている人もいますし、その辺の敷居はかなり低いと思いますね。

当社は一度入社すればZFの中を「泳ぐ」のは自由というスタンスです。各地域で様々な経験を積む過程で、自分のやりたいことが変われば「ジョブトランスファー」といって、職種を変えるシステムなども充実しています。秘訣とまではいえないかもしれませんが、「自分の可能性や将来性を最大限に広げる会社である」ということが当社に素晴らしい人材が集まる要因になっているのだと思います。

《高山 正寛》

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