アルマ望遠鏡で巨大ブラックホールに吸い込まれるガス雲の様子を初観測
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今回の観測は、冷たく密度の高いガスが銀河中心のブラックホールに落ちていく様子を初めて直接捉えた。この観測結果は、天文学者が持っていた「超巨大ブラックホールがガスを吸い込んでいく様子」に対する理解を大きく書き換えるものとしている。
これまでの研究から、巨大な銀河の中心にある超巨大ブラックホールは、ゆっくりと一定のペースで高温の電離ガスを吸い込んでいくと考えられていた。しかし、今回のアルマ望遠鏡の観測から、場合によっては、超巨大ブラックホールが低温で高密度なガスと高温で希薄なガスが合わさった塊を、いくつもガツガツと吸い込むことがあることが明らかになった。
研究チームがアルマ望遠鏡で観測したのは、約50個の銀河が集まる銀河団エイベル2597で、その中心には、巨大な楕円銀河が潜んでいる。銀河の間の空間は、希薄で高温な電離ガスで満たされていることが、アメリカ航空宇宙局(NASA)のエックス線宇宙望遠鏡チャンドラで確かめられている。
《レスポンス編集部》