【メルセデス ドライビングアカデミー】ベンツで教わる、コーナリングがうまくなる秘訣

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メルセデスベンツ ドライビングアカデミー
メルセデスベンツ ドライビングアカデミー 全 26 枚 拡大写真

11日、茂原ツインサーキットで開催された「メルセデスベンツ ドライビングアカデミー」は、プロのインストラクターによる座学と実技レッスンによって、コーナリングやブレーキングのスキルアップを目指すイベントだ。

インストラクターは、スーパー耐久レースでの優勝経験もある瀬在仁志氏の他、プロのインストラクターやラリードライバーなど4名が担当した。参加者は、ドライビングの座学を兼ねたブリーフィングを受けたあと、グループに分かれ、コーナリング体験コース、ブレーキング・スラローム体験コースなどサーキット場の実技練習を行った。

ブリーフィングでは、まずドライビングポジションや視点の取り方、ハンドル操作についての解説が行われた。ドライビングポジションやハンドル操作は、運転しやすければ、ということで我流の人が多いが、レーシングポジションには、背もたれの角度、ハンドルの距離、ペダルまでの距離などそれぞれに意味がある。ハンドルの両サイドを持って肘が90度曲がっていないと、的確な操作ができないし、ペダルを踏みきっても膝に余裕がないと、フルブレーキングはできない。

次にコーナリングについて、アンダーステア、オーバーステアの説明が行われた。通常コーナーの侵入速度がタイヤのグリップ力を上回ると、タイヤの角度(ステアリングの切り角)よりも直線的にスリップするようになる。ハンドルの角度よりも曲がってくれないアンダーステアだ。一般走行の場合、アクセルを戻すなど速度を落とせばグリップが回復し曲がってくれるようになる。

オーバーステアはFRなどで起きやすい現象だが、コーナリング中に、リアタイヤのバランスがくずれタイヤの角度より大きく車の向きが変わってしまい、最悪スピン状態になる。これは、ハンドルを戻しながら(カウンターステア)アクセルを戻すなどしてリアのグリップを回復させれば立て直すことができる。

コース上では、これらの動きを自分の車で体験してもらい、アンダーステアなどの車の動きを感じながらスムースなコーナリング、ブレーキ操作をマスターしていく。瀬在インストラクターのアドバイスは、「スラロームもコーナリングも視点はなるべくコースの先をみて」「コーナーでは定常円を描くようなイメージでスムースに」というものだった。

参加者は、最初こそ若干ぎこちない動きをしていたものの、練習を重ねるにつれ動きが目に見えてスムースになっていた。練習に利用された茂原サーキットのテクニカルなコーナーセクションも、すぐに感覚をつかんでいたようだ。『Gクラス』のような腰高の車でも、安定したコーナリングができることを確認していたドライバーもいた。

フルブレーキの練習も、最初はABSを作動させることができなかった人も2回目以降から、しっかりABSを作動させるブレーキングを身につけていた。昔のABSはロックさせるより制動距離は伸びると言われていたが、最近のABSの制御は進化しており、制動距離の差はほとんどないといってよい。最短距離で止まるが姿勢が乱れる方を選ぶか、ほぼ最短距離でまっすぐ安定して止まれる方を選ぶかの違いだが、総合的なリスクを考えたら、迷わずABSだ。いざというときにフルブレーキングがかけられること、ペダルを通じて足にフィードバックされるABSの感覚を知っておくことは、実際の危険回避の際に大いに役立つ。

午後のセッションでは、先導車がつきながら茂原のロングコースを隊列走行し、学んだことの実践および確認を行った。隊列走行といいながらもペースはなかなかのもので、参加者は、アップダウンが多くテクニカルなコーナーが多い茂原サーキットを十分に楽しんでいた。

じつは、記者も主催者の厚意により、広報車(『C180 クーペ』)で隊列走行を体験させてもらった。街中ではゆったり走るほうが似合っているメルセデスベンツだが、「Sport+モード」ではアップダウンや連続コーナーもストレスなく走ってくれた。ヘアピン、S字、コの字コーナーなど、ほとんど思ったとおりのラインをトレースしてくれ、ステアリングの切り足しにも反応してくれる。楽しかったのは、ヘアピンや複合コーナーだ。アクセル操作によって、ニュートラルステアから絶妙な軽いオーバーステア状態に持っていくことができ、コーナリング中に車の重さを感じさせない動きを楽しむことができた。

《中尾真二》

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