危険ドラッグ吸引者に運転させ死傷事故、幇助罪で実刑

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2014年5月、長野県中野市内で少年(当時19歳)へ危険ドラッグを吸引させた後にクルマを運転するように依頼し、3人を死傷させる事故を起こす要因をつくりだしたとして、危険運転致死傷幇助などの罪に問われた23歳の男に対する裁判員裁判の判決公判が13日、長野地裁で開かれた。裁判所は懲役6年の実刑を命じている。

問題の事故は2014年5月14日の午前11時50分ごろ発生している。中野市草間付近の県道(片側1車線の直線区間)で、前走車を追い抜こうと対向車線側を逆走していた乗用車と、対向車線を順走してきた軽乗用車など4台が次々と衝突。このうち1台を運転していた25歳の男性が死亡。他のクルマに乗っていた3人が重軽傷を負った。

逆走側のクルマを運転していた19歳(当時)の少年と、同乗していた21歳(同)の男は危険ドラッグを吸引して酩酊状態だったことが判明。運転していた少年は危険運転致死傷の罪で起訴され、後に懲役13年の判決が確定したが、検察は同乗していた男についても危険運転致死傷幇助の罪で起訴していた。

これまでの公判で被告は「元少年がドラッグを吸引するところは目撃していなかった」などと主張。運転を依頼した場所についても差異が生じていたが、13日に開かれた判決公判で、長野地裁の伊東顕裁判長は「被告は自らが危険ドラッグの影響で運転できなかったことから、同様にドラッグを吸引した元少年も正常な運転が困難になることを認識しながらも、安易に運転を依頼した」と認定。依頼した場所については「元少年の供述が信用できる」とした。

また、運転を依頼した場所に差異が生じていたことについては「薬物の影響で記憶の前後関係に混乱が生じている」と判断。被告自身が本件事故が発生する以前に別の物損事故を起こしていたことからも「被告は薬物使用が運転に与える影響や危険性を認識していたにもかかわらず、運転を継続させた責任は重い」として、被告に対して懲役6年の実刑判決を言い渡している。

《石田真一》

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