【ルマン24時間 2016】決勝直前…レース前半は接戦か、まだ見えぬ3メーカーの実力

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#6トヨタ『TS050ハイブリッド』
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いよいよスタートする2016ルマン24時間耐久レース。この後、日本時間の22時から決勝レースを迎えるが、最高峰のLMP1クラスは序盤から見どころ満載のレースとなりそうだ。

今年もポルシェ、アウディ、トヨタの3メーカーによる総合優勝争いに注目が集まっているLMP1クラス。予選では昨年王者であるポルシェ勢が先行。さらに熟成された『919ハイブリッド』の実力が発揮され、2号車がポールポジションを獲得。1号車も2番手につけた。

昨年はワークス復帰2年目でありながら、既存の参戦メーカーであるアウディとトヨタを圧倒。歴代最多の優勝記録(昨年を含め17回)を誇る名門ポルシェの底力が存分に発揮された。今年も、その勢いは全く衰えることなくライバル2メーカーを先行する結果となった。

しかし、決勝でもポルシェが有利なのかという点では少し疑問が残っている。実は今回の予選はタイムが出やすいドライコンディションで行われたのは予選1回目のみ。さらに途中に赤旗中断があったり、コースオフしたマシンの回収のためスローゾーン(安全のため速度制限が設けられること)が何度も発生した。

現地時間16日の2回目、3回目はほとんどがウエットコンディションとなり、タイムの更新ができる状態ではなかった。つまり計6時間あった予選のうち、しっかりタイムアタックできるチャンスが少なかった。

そのため、予選では2列目、3列目に沈んだトヨタ勢、アウディ勢の本当の実力がまだ明確になっていないといえる。

その中で注目なのが、今年は新型マシン『TS050ハイブリッド』を導入したトヨタ勢。ルマンで勝つことを意識し、長い直線が多いサルトサーキットの特徴にあわせたマシンになっており、この性能がフルに発揮されれば、決勝でも力強い走りが期待出来る。また、雨の予選3回目のみのデータを見ると6号車がトップタイムをマーク。5号車も3番手につけた。

今年は決勝も雨になるのではないかという情報も入っており、天候変化に柔軟に対応できれば勝機もでてきそう。初の総合優勝に向け、勝負の年と言っても良い今年のルマン。どんな走りをみせるのか注目だ。

そして、予選ではまさかの苦戦を強いられたアウディ勢。フリー走行でトップタイムを出していた8号車がトラブルで予選1回目の序盤30分ほどガレージにこもった状態が続き、これが最終的に予選結果にも影響してしまった。しかし、決勝前のウォームアップでは7号車が最速タイムをマーク。決勝でも大幅に改良されたマシン『R18』の本領が発揮されれば、序盤からトップを奪う可能性も十分にありそうだ。

またアウディといえば、レース中にアクシデントがあった時の迅速な対応力で定評がある。昨年も8号車が序盤にクラッシュ。フロント部分に大きなダメージを負ったが、ガレージに入ってわずか3分で修復完了。そのまま戦列に復帰して見せた。

今年も荒れた展開になりそうなルマンで、その対応力が勝敗を左右するカギになるかもしれない。

注目の決勝レースは日本時間の22時にスタート予定。スタートから独走の展開か、それとも3メーカーが入り乱れる接戦となるのか。例年以上に予想不可能なレース前半となりそうだ。

2016 ルマン24時間レース 上位スターティンググリッド
1.#2ポルシェ(ロマン・デュマ/ニール・ジャニ/マルク・リーブ)
2.#1ポルシェ(ティモ・ベルンハルト/マーク・ウェバー/ベルトラン・ハートレー)
3.#6トヨタ(ステファン・サラザン/マイク・コンウェイ/小林可夢偉)
4.#5トヨタ(アンソニー・デビッドソン/セバスチャン・ブエミ/中嶋一貴)
5.#7アウディ(マルセル・ファスラー/アンドレ・ロッテラー/ブノワ・トレルイエ)
6.#8アウディ(ルーカス・ディグラッシ/ロイック・デュバル/オリバー・ジャービス)

《吉田 知弘》

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