【ルマン24時間 2016】残り3時間…トヨタ優勝へ逃げ切るか、可夢偉も激走

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2016ルマン24時間レース
2016ルマン24時間レース 全 8 枚 拡大写真

2016ルマン24時間レースは、いよいよ大詰め。スタートから21時間を経過し、優勝争いは完全に2号車ポルシェとトヨタの2台に絞られた。

ここまでピットストップのたびに順位を入れ替えるほど接近していた3台だったが、19時間を過ぎたところで大きな変化を迎える。これまで別々のタイミングでピットストップをおこなっていたポルシェ2号車とトヨタ5号車が、同じ304周終わりにピットイン。5号車はドライバー交替を含めたフルサービスの作業なのに対し2号車は給油のみを迅速に済ませピットアウト。これまで少し後手を踏む展開だった2号車が残り5時間を切ったところでレースの主導権を握る。

ここから、このレースでも最も壮絶なバトルが始まっていった。

ポルシェ2号車のマルク・リーブは少しでも差を広げようとペースを上げるが、初優勝のために何としても逆転しなければいけないトヨタ勢2台も、それを上回るペースで猛追。気がつくと3台のペースは予選と同等の速さとなっており、3分23秒台を連発するものとなっていた。

その中でもトヨタ5号車を駆るアンソニー・デビッドソンは当初6秒あった差を少しづつ詰めていき、残り4時間を迎えるところで1秒後方まで接近。ミュルサンヌ・ストレート(旧ユノディエール)ではストレートスピードを生かし、一気にオーバーテイク。ピット戦略ではなく自力でポルシェからトップを奪い返した。

さらに3位を走るトヨタ6号車に乗り込む小林可夢偉が激走。316周目に3分21秒797を叩き出すと、みるみるうちに2号車に接近。こちらも20秒あった差を最終的に5秒後方まで迫って見せた。しかし残り3時間40分にポルシェカーブ出口でスピン。高速でのスピンだったたが、幸いガードレールへのヒットは免れた。ただ復帰までに時間がかかり、追い詰めたライバルを逃がすことになってしまった。

それでも優勝を目指し、ペースを回復。懸命に前方のマシンを猛追。残り3時間を迎えるところでピットインし、ステファン・サラザンに交替したが、終盤にファンを魅了するアグレッシブな走りを見せてくれた。

予想以上の接戦となった今年のルマン24時間。そして、待望のトヨタ初優勝の可能性が少しずつ大きくなり始めている。

2016ルマン24時間レース 21時間経過時点:順位
<LMP1>
1.#5トヨタ(333周)
2.#2ポルシェ(+1分03秒)
3.#6トヨタ(+1分48秒)
4.#8アウディ(+13周遅れ)
6.#7アウディ(17周遅れ)

《吉田 知弘》

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