水素ステーション普及のためJIS改正…使用温度を120度に拡大

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燃料電池自動車用水素ステーション(参考画像)
燃料電池自動車用水素ステーション(参考画像) 全 3 枚 拡大写真

経済産業省は、水素スタンドの普及と水素社会の実現に向けて圧力容器の構造に関するJISを改正した。

水素スタンドを設置するためには、高圧ガス保安法に基づく省令で定める技術基準を満たし、許可を受ける必要がある。高圧水素中は、金属材料に脆化を生じ、特に強度の高い場合に顕著となることから、使用する圧力や温度などによって安全が確認され、高圧ガス保安法の技術基準を満たしたものを例として示しており、JISの規格を活用している。

SUH660は、有望な高強度金属材料のひとつとして、2015年11月に高圧ガス保安法一般高圧ガス保安則例示基準に追加されたが、設計根拠となる許容応力はJIS G4311(耐熱鋼棒及び線材)、JIS G4312(耐熱鋼板及び鋼帯)には常温の場合のものしか無いため、使用温度は50度に限定されている。

水素スタンドでの使用温度はより高くなる場合があることから、使用可能な温度範囲を整合させる必要がある。また、最近の材料評価の結果、SUH660について120度まで十分な耐水素性があることが確認された。

高圧ガス保安法における例示基準について、SUH660の使用温度範囲を拡大し、水素スタンドでの使用を促進していくためには、同法の特定設備検査則例示基準と一般高圧ガス保安規則例示基準の改正が必要となる。

今回、高温でのSUH660の利用を一般化するため、JIS B8265の附属書B(材料の許容引張応力)にSUH660を追加し、温度範囲を350度まで規定した。

今回のJISの改正により、SUH660についての例示基準が見直され、従来50度までに制限されていた使用温度範囲を120度まで拡大することが期待される。これによってステンレス鋼を使用する高圧水素機器類の設計自由度が拡大し、水素スタンド建設促進・低廉化が見込まれる。

《レスポンス編集部》

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