【MINI クーパーD クラブマン 試乗】長距離趣味にすこぶる良い組み合わせ…中村孝仁

試乗記 輸入車
MINI クーパーD クラブマン
MINI クーパーD クラブマン 全 17 枚 拡大写真

MINI『クーパーDクラブマン』を一週間にわたって借用し、およそ550km走破してみた。全く普段使いとして特別なインプレをするわけではなく、日常に溶け込ませてみた。その結果は…

【画像全17枚】

ご存知の通り、クラブマンはMINIの中でも異質な存在で、そもそもプラットフォームからして、他のMINIとは異なりBMW『2シリーズ』用のものを使っている。このため特に全幅は他のMINIよりも75mmも広い1800mmもある。3サイズは4270×1800×1470mmだから、ほぼCセグメントのクルマといって差し支えない。

室内の空間は特に横方向にゆとりを感じるのは広がった全幅のおかげで、前後方向は確かにホイールベースが伸びているから、後席はゆとりを感じるが、フロントは大きく変わるわけではない。週末にゴルフに行って長距離を走った以外は、基本的に自宅のある横浜と都内の往復に終始して550kmほど走った。

まずはエンジンである。アイドリングではやはりかなりの騒音である。勿論信号待ちではアイドリングストップが働くが、たっぷりとバッテリーに余裕があってもほぼ30秒でエンジンが再始動する。つまり長めの信号待ちでは我慢たまらず、エンジンがかかるというわけだ。

確かに振動は現在『ペースマン』などに積まれている旧型のディーゼル4気筒と比べたら、大きく減じられているが、ではガソリンと比べてどうかと聞かれたら、やはり大きい。何より室内で聞く音は大したことないが、周囲にはかなり音をまき散らしているわけで、ちょっとした人待ちなどでアイドリング状態で止めるのは、特にそれが閑静な住宅街だったりすると憚るのだが、この季節、特に外気温が34度にもなった試乗日ではたまらずにエンジンをかけっぱなした。こうした時は少し後ろめたさを感じた。

クラブマンDのエンジンは150ps/4000rpmと360Nm/1500~2750rpmという性能で、MINIに積まれる4気筒ディーゼルの中では最もマイルドな性能を持つものだ。しかし、性能的にこれで不満のある人はまずいないと思う。横浜からアクアラインを通って館山自動車道に至る高速ルートを走行した時も、高速上での追い越し加速などは後続を一気に突き放すだけのパンチ力があり、しかもこのレンジで走っていれば、音振動共に全くガソリン車並みだから、デメリットはゼロ。しかもこうした状況では少なくとも車載コンピューターの燃費は20km/リットル近くにまで達する。

とはいえ、都内の一般道がほとんどだった550km走行の総平均は、14.5km/リットル。まあ微妙な値ではあるが、我が家付近でリッターあたり90円を切っている軽油の値段は、対ハイオク比マイナス30円になるから、日常の使い倒しにはまるで燃料代を気にしないで移動できる。確かに購入時には20万円余計な出費をしなくてはならないが、税金の免税措置などもあって、あるネットでのガソリン車比較では、3年乗れば元が取れるとあった。しかも年間5000km程度での走行だ。我が家のように年間1万6000km越えの走行距離を出すなら、出費の回収には3年もかからない計算になる。

1週間乗ってすっかり体が慣れたこともあるが、クラブマンの乗り心地は快適だ。他のどのMINIと比べてもダントツに快適であると断言できる。その分、いわゆるゴーカートフィールはない。依然としてステアリングは十分にクィックだとは思うが、チャキチャキと走るというよりも、どっしりと落ち着いた走りをもたらしてくれる。

使い勝手もなかなか良い。4人乗りでゴルフは無理だが、二人ならリアシートを倒せばゆとりのラゲッジ空間を提供してくれるし、長物の脚立だって楽々飲み込んだ。とにかくこいつでお買い物は、十分に用が足せる。ただし、観音開きのリアドアは反力が強くて、開ける時はいいが、閉める時はかなり強い力で締める必要がある。何故こうしてあるかは不明。

クラブマンとディーゼルの関係性はすこぶる良いと思う。それは特にエンプティーネスターで、夫婦そろって長距離の旅行などが趣味のユーザーなどにはうってつけと思えた。そこそこ品があって特に借り出したピュアバーガンディーメタリックの外装色はMINIらしからぬ落ち着きを持ち、気恥ずかしさは微塵もない。それにMINIながら堂々とした体格なので、小型車に乗っているという印象が希薄になる。

■5つ星評価
パッケージング ★★★★
インテリア居住性 ★★★★
パワーソース ★★★★
フットワーク ★★★★
おすすめ度 ★★★★★

中村孝仁(なかむらたかひと)AJAJ会員
1952年生まれ、4歳にしてモーターマガジンの誌面を飾るクルマ好き。その後スーパーカーショップのバイトに始まり、ノバエンジニアリングの丁稚メカを経験し、その後ドイツでクルマ修行。1977年にジャーナリズム業界に入り、以来38年間、フリージャーナリストとして活動を続けている。

《中村 孝仁》

中村 孝仁

中村孝仁(なかむらたかひと)|AJAJ会員 1952年生まれ、4歳にしてモーターマガジンの誌面を飾るクルマ好き。その後スーパーカーショップのバイトに始まり、ノバエンジニアリングの丁稚メカを経験し、さらにドイツでクルマ修行。1977年にジャーナリズム業界に入り、以来45年間、フリージャーナリストとして活動を続けている。また、現在は企業やシニア向け運転講習の会社、ショーファデプト代表取締役も務める。

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