【トヨタ パッソ / ダイハツ ブーン 新型】快適でゆとりある室内に進化…新旧パッケージ比較

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新型 トヨタ パッソ/ダイハツ ブーン
新型 トヨタ パッソ/ダイハツ ブーン 全 12 枚 拡大写真

ダイハツ軽自動車のノウハウを最大限に生かし、トヨタ最小5人乗りコンパクトカー「軽じゃないのにK」をうたい文句にして登場したのが新型『パッソ』&『ブーン』。

クラストップレベルの空力性能、先代比約50kgの軽量化、4WDを含む全車のアイドリングストップやダイハツ自慢のe:sテクノロジーの採用などによって、モード燃費はガソリン登録車ナンバー1の最高28.0km/リットルを達成しているのも大きなニュースだが、ここでは実用性に大きくかかわる新旧型のパッケージングを比較してみたい。

先代は「トヨタ最小プチトヨタ」が示すように、コンパクトさを生かし取り回し性については一定のユーザー評価があったものの、室内空間のゆとりや基本性能に不満があったこともたしか。

そこで新型は「街乗りスマートコンパクト」という商品コンセプトを継承しつつ、ボディーサイズの変更を最小限にとどめながら(全長±0mm、全幅+10mm、全高-10mm)、大幅改良されたプラットフォームによってホイールベースを50mm延長。室内長1975mmは室内の広さにも定評あるフィットの1935mmを凌ぐ数値。室内の広さをより現実的に表す前後席間距離はなんと75mmもの拡大なのである。

実際に新型に乗り込み、旧型と比較すれば、全高が10mm下がっているものの、前後席のヒップポイントをフロア基準で10mmずつ下げたため、身長172cmのボクの着座で前席頭上に170mm、後席頭上に100mmは新型、旧型ともにまったく同じ! しかし後席ひざ回り空間は旧型105mmに対して新型は210mmと倍増。フロア中央に凸はあるものの、足元は広々だ。

ちなみにボクのドライビングポジション基準の後席ひざ回り空間はBMW『3シリーズ』で190mm、VW『ゴルフ』は160mmである。

後席は前席に対して高めにセットされ、フロアから高めのいす感覚のかけ心地(フロアからシート先端までの高さは380mm/一般的には350mm前後)、降車性の良さ=立ち上がり性の良さが得られ、前方見晴らし性も文句なしなのである。

ただし、前席もまたフロアから高めにセットされ、フロアからシート先端までの高さはハイト調整最下端位置でも340mmもあり(一般的には290mm前後)、小柄な人だと太もも裏が圧迫されるような印象を持つかもしれない…。

新型パッソ&ブーン実用上のハイライトのひとつが後席乗降性。旧型比でリヤサイドシル高は15mm低くなり、リヤドアはほぼ直角まで開き、リヤドア開口部は旧型より幅方向で40mm増し。さらに後席そのものが旧型より40mm後方に移動しているため乗降間口はなんと50mmも拡大。シートが高めにセットされていることもあって、乗車、降車ともに快適なのである。

ところで、旧型パッソの後席には「ロングクッションモード」という、シート座面だけを前にスライドさせる機能があった。もともと子供のおむつ替え用に便利なアレンジだったのだが、ボクは後席足元の段差(落ち込み)がなくなり、シート座面をスライドさせる際、フロアが沈み込み、シート座面フロア地上高が通常の625mmから550mmに下がるところに注目し、犬を乗せるのにも最適・安全だと思っていた。ゴールデンレトリーバーのような大型犬もくつろげる後席居住空間もほかにはないポイントだったのだ。

が、新型ではその類稀なアレンジは廃止。理由はロングクッションモードを採用するとシート座面が薄くなり、かけ心地面で不利になり、新型で売りの後席居住感覚と相反するからだという。

さらに新型の後席座面幅は旧型より30mmほど狭くなっている。その理由はすでに報告したように、後席を40mm後方に移動したため、そのままの横幅だとボディ側に干渉するからである。

ラゲッジは開口部地上高は旧型同等の670mm。ボディーをスタイリッシュに台形化したため開口部はやや狭まっているものの、フロア幅は同等。奥行きは後席居住空間優先で旧型の540mmから470mmとなるが、実用上は十分なラゲッジスペースだ。

そうそう、旧型は後席を倒しても拡大したラゲッジフロアはほぼフラット(フロア奥行き1220mm)だったのだが、新型はシートクッションを厚めにとったためか、約120mmの段差ができてしまうのが難点(フロア奥行き1000mm)。

そのあたりはちょっと残念な部分だが、何よりも後席の広さが拡大し、シートのかけ心地が格段に良くなっているのだから、パッケージ的な進化は絶大と言えそうだ。

《青山尚暉》

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