【WEC】10月の富士6時間に向け、トヨタ中嶋一貴&小林可夢偉らが意気込み語る

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左からWEC富士戦のアンバサダー、Mr.ルマンの異名で知られる寺田陽次郎さん、中嶋一貴、A.ロッテラー、小林可夢偉。
左からWEC富士戦のアンバサダー、Mr.ルマンの異名で知られる寺田陽次郎さん、中嶋一貴、A.ロッテラー、小林可夢偉。 全 8 枚 拡大写真

16日、スーパーフォーミュラ第3戦予選日の富士スピードウェイにて、10月に開催されるWEC(世界耐久選手権)第7戦「富士6時間」に向けての共同記者会見が行なわれた。ルマンの雪辱を期すトヨタ勢の中嶋一貴、小林可夢偉らが意気込みを語っている。

今年は全9戦のスケジュールで開催されているWEC。秋恒例のイベントとなった日本ラウンド「6 HOURS OF FUJI」(10月14~16日)は、シリーズ終盤にさしかかる第7戦としての開催だ。6月のルマン24時間(WEC第3戦)でも演じられた「LMP1-H」クラスの3大ワークス(ポルシェ、アウディ、トヨタ)による“世界最高峰ハイブリッド耐久バトル”が、今度は富士で展開されることになる。

この日の会見には、スーパーフォーミュラとWEC LMP1-Hクラスに並行参戦している3選手、WECアウディ陣営のアンドレ・ロッテラーと、同トヨタ陣営の中嶋一貴&小林可夢偉が登壇した。

トヨタは今年のルマンで悲願の総合初優勝を残り数分のところで獲り逃した。中嶋一貴が乗り組む「TS050 HYBRID」の5号車がレース終盤、優勝確実な流れとするも、まさかのマシントラブルで無念の思いを味わっている(総合優勝はポルシェ919の2号車)。大舞台すぎるルマンの雪辱は富士で晴らせるものでもないし、シリーズタイトル獲得でも晴らせないほどのものだろうが、ホームレースであり、過去には12~14年とトヨタが3連覇もしている富士。ここには一貴も必勝の決意で臨む(一貴は12~13年の富士戦で優勝)。

#5 中嶋一貴のコメント

「今シーズンは3レース終わりましたが、(5号車は)まだまともにレースをフィニッシュできていないので、正直もう(ドライバーズ)チャンピオンシップをどうこうということは考えていません。でも(ルマン後からは)仕切り直しだと思いますし、マシン的にもいい戦闘力を発揮できると思いますので、まずは来週のニュルブルクリンク(第4戦)でいいレースをして弾みをつけ、それを10月まで持続していきたいですね」

「富士では(トヨタが)過去にいいレースをしてきていましたが、昨年はちょっと厳しいレースになってしまいましたので、また優勝を獲り返せるように頑張りたいと思います」

一方、LMP1-Hでは自身初参戦となったルマンを最終的に総合2位で終えたのが小林可夢偉(6号車)。しかし、チームとして戦う側面が強いWECだけに、特にルマンでは総合優勝を(トヨタが)逃した悔しさの方が支配的な感情だったようだ。自分の6号車が長くトップを走る局面もあったという悔しさも含め、ルマンの表彰台からの景色もあまり「見ていなかった」ほどだという。

#6 小林可夢偉のコメント

「ちょっとずつ僕自身も良くなってきているし、クルマも良くなってきていて、『そろそろ勝てるぞ』というタイミングがルマンだと思っていました」

「(6号車も)トップを走っていたんですが、そのタイミングを逃してしまったわけなので、次のニュルで優勝を狙うのは当たり前として、ホームレースの富士では優勝を狙うというよりも、優勝しないといけないのかな、と思います。いいマシンをつくってくれたチームの人たちのためにも何かを残したいですし、日本のファンの前で勝ちたいですね」

ルマン総合優勝3度の実績を誇るロッテラー(#7 アウディR18)は、スーパーフォーミュラ等を通じてトヨタとも関係が深いだけに、目前の勝利を逃したトヨタ陣営にエールを送りつつ、シーズン後半への意欲を語っている。

#7 A.ロッテラーのコメント

「(トヨタ同様)ニューカーで臨んだ今季、開幕戦では先頭でゴールしたんだけど、レース後に失格になってしまった。とても残念だった。ただ、次のスパ戦では僚機の(8号車 L. デュバル組)が勝ったし、多くを学ぶこともできていたんだ」

「しかし、とにかくまだマシンが『若い』からね。ルマンでは問題が多発した。でも、これから先は(ルマンとは異なる)ハイダウンフォースパッケージでの戦いになっていくと思うので、流れを変えていきたいと考えている」

意外にもロッテラーとアウディはWEC富士戦での勝利がない。彼らもまた、ここでの勝利をトヨタ勢同様に渇望しており、ポルシェを交えた三つ巴(6台)の戦いは富士で一層激化することが予想される。

今季のWEC残り6戦の日程は下記の通り。ルマンという大一番を終え、3メーカーは今度はシリーズタイトルをかけての戦いに移行する。

第4戦 7月24日決勝 ニュルブルクリンク(ドイツ)
第5戦 9月3日決勝 メキシコシティ(メキシコ)
第6戦 9月17日決勝 オースティン(アメリカ)
第7戦 10月16日決勝 富士スピードウェイ
第8戦 11月6日決勝 上海(中国)
第9戦 11月19日決勝 サクヒール(バーレーン)
※すべて6時間レース

《遠藤俊幸》

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