【BMW 330e 試乗】PHV、その走り方の極意を発見か?…中村孝仁

試乗記 輸入車
BMW 330e
BMW 330e 全 19 枚 拡大写真
プラグインハイブリッド、PHVは大きく二つのタイプがある。一つはエンジンを主に発電源として使うものと、あくまで駆動を主体とするものだ。

前者には三菱『アウトランダーPHEV』やホンダ『アコード プラグインハイブリッド』(既に生産終了)それにシボレー『ボルト』などがある。そして後者は残りのほぼすべてのモデルがこれに属すると考えて良いだろう。BMW『330e』も後者に属し、モーターはトランスミッションに内蔵されたシングルモーターで出力65kw、バッテリー容量7.7kwh。そしてエンジンはお得意の4気筒ツインパワーターボの2リットルを搭載する。

大いに評価すべきはその価格を554万円~に抑えたこと。ほぼ同じような性能を持つメルセデス『C350e』の場合721万円だから、PHVを欲しいと言っても二の足を踏んでしまうユーザーは多いだろうが、554万円なら、物珍しいから手を出して見ようか…となるかもしれない。

多くのユーザーは電気自動車の存在は気になると思う。僕もその一人。でも「テスラ」を除けば航続距離は不安だらけだし、我が家には充電設備もないから端から諦め。そこへ行くとPHVの場合、仮に充電設備がなくても電気自動車の雰囲気が味わえて、かつ航続距離を気にしないで良いというダブルのメリットがある。もっとも家に充電設備がないと、本当に美味しいところは味わえない。そこで、何とか充電施設がなくても美味しく乗れる方法はないか、あれこれと試してみた。

このクルマを借りる前に、実は同じBMWの『225xe』でBMW製のPHVを体験した。しかし、電気を使い切ってしまうとあとは発進だけ電気で、後はほぼガソリン車と同じになる。つまりはハイブリッド車だ。330eの場合も放っておけば、スタートから電気を使って、使い切るとガソリンと併用するシステムになっている。

eドライブというボタンでは、オートeドライブ、max e ドライブ、それにセーブという3つのモードがあり、デフォルトはオートeドライブ。ガソリンと電気を最適に使い分けることになっているのだが、実際に使ってみると電気はみるみる減ってしまう。勿論初めから充電することを前提に作られたクルマだから、充電せずに何とかしようなんて言う発想そのものに無理があるわけだが、最適に使い分けるにはどうすればよいか。

結論はチャージモードでもあるトランスミッションのマニュアルモードを多用することだった。通常マニュアルモードに入っているとアイドリングストップをしない。そこで、発進はDレンジに入れて電気でスタートし、定常走行になったらシフトレバーをマニュアル側に倒し、シフトレバーを操作しながら最適な回転領域で走る。こうすることでバッテリーがチャージでき、ガソリンの使用も最小に抑えられるという寸法だ。本来はこれをオートeドライブモードがやっているはずなのだが、実際はそうではなく電気を優先してしまうから、この季節エアコンを使っている関係もあって、バッテリーはあっという間に減っていく。

クルマを借り出した段階で80%ほどだったバッテリー残量は、丸2日乗ってもまだ30%を維持している。前回225xeを試乗した時はまだこうしたことを知らずに、家に帰るまでに電気を使い果たしてしまい、一度充電したものの、30%まで戻ったバッテリー残量はやはりものの数キロで無くなった。そして225xeでは330km走って14.5km/リットルだった平均燃費も、330eでは今のところ15.3km/リットルを保っている。もっとも走行はまだ100km程度だから同等の比較はできないが、高速の定常走行をガソリンで走れば少なくとも車載コンピューター上では18km/リットル程度までは行き、しっかり充電できることも確認した。

残念なことに今回は長距離を走れなかったが、そうすることで運転自体をマニュアルでも楽しめ、同時に燃費ゲームも楽しめるから、PHVを積極的に選んで、こうしたことを楽しむことも有りかなと思った次第である。実は現実的に充電施設がない共同住宅に住んでいるユーザーでも、PHVに興味を持つ人は多いそうだから、乗り方次第でPHVは十分楽しめる気がする。ただし、エコカーとして買おうと思う人は充電施設が“must”だ。

■5つ星評価
パッケージング ★★★★
インテリア居住性 ★★★★
パワーソース ★★★★★
フットワーク ★★★★★
おすすめ度 ★★★★★

中村孝仁(なかむらたかひと)AJAJ会員
1952年生まれ、4歳にしてモーターマガジンの誌面を飾るクルマ好き。その後スーパーカーショップのバイトに始まり、ノバエンジニアリングの丁稚メカを経験し、その後ドイツでクルマ修行。1977年にジャーナリズム業界に入り、以来38年間、フリージャーナリストとして活動を続けている。

《中村 孝仁》

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