【新聞ウォッチ】三菱自調査委報告「自動車を作り、売る一体感の意識欠如」

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益子修会長兼社長(向かって左)と山下光彦副社長
益子修会長兼社長(向かって左)と山下光彦副社長 全 2 枚 拡大写真

気になるニュース・気になる内幕---今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析するマスコミパトロール。

2016年8月3日付

●28兆円経済対策決定、政府インフラ整備重点(読売・1面)

●燃費不正新人も指摘、05年三菱自、見直し提言放置、調査委報告(読売・2面)

●三菱自の自浄能力、疑問視、特別調査委報告、形だけの対策に警告(読売・8面)

●きょう内閣改造,経産相世耕氏、文科相松野氏(朝日・1面)

●NYで円急伸、一時100円台に(日経・1面)

●トヨタとダイハツ、7人乗りエコカー、インドネシアで発売(日経・9面)

●ホンダ営業益12%増、主力の北米好調、円高の影響軽減、4~6月(日経・12面)

●いすゞ、営業益2割減、海外向け伸び悩む、4~6月(日経・15面)

ひとくちコメント

「会社が一体となって自動車を作り、売るという意識が欠如している」。三菱自動車の燃費不正発覚後、原因・背景を客観的な立場で検証するために設置した特別調査委員会の報告書では、開発本部の問題ではなく、「経営陣をはじめとする会社全体の問題である」などと厳しく結論づけた。

特別調査委員会の報告書は、4月25日から7月31日までの期間、154人、のべ236回のヒヤリングを実施した調査結果をまとめたもので、要約版だけでも37ページに及んでいる。

きょうの各紙も、その報告書に基づき1面や経済面で大きく取り上げている。各紙とも「燃費不正新人も指摘」(読売)との見出しで、報告書では、不正に鈍感な体質を示す事例として「2005年には、新人の社員が不正行為をやめるよう社内で提言したのに、幹部が放置していた」と指摘していることを伝えている。

特別調査委員会による報告書の公表後には、三菱自の益子修会長兼社長と山下光彦副社長が記者会見を行い、「改革の取り組みが十分でなかった」として、今回の特別委員会からの指摘を真摯に受け止め、再発防止に取り組む」などと陳謝した。約1時間半にわたり記者からの質問に丁寧に答えていた。

その中で、新人社員の提言と社内アンケートについて、会社側の調査では把握していなかったと説明、「非常に重く受け止めている」と深く頭を下げた。

また、益子会長は「身の丈を超えた過大な車種展開もあった」として「SUV3兄弟」のうち、新型PHVの新モデル1車種の開発を中止したことも明らかにした。

リコール隠し問題など過去にも経営の屋台骨を揺るがすような不祥事が繰り返され、そのたびに社内では再発防止に取り組んできた。だが、風通しの良い組織には変えられなかった。20年以上も三菱自を取材してきて「ラストチャンス」との表現を過去に幾度も使っては騙されてばかりいた。今回も「ラストチャンス」と書きたいところだが……。

《福田俊之》

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