ポルシェ初の市販EV、ミッションE …ルマンレーサーの技術応用

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ポルシェ ミッションE
ポルシェ ミッションE 全 4 枚 拡大写真

ドイツの高級スポーツカーメーカー、ポルシェが2020年末までに市販化を目指すEVコンセプトカー、『ミッションE』。同車には、ルマン24時間耐久レースを制した『919ハイブリッド』の電圧技術が応用される。

ミッションEには、強力な2個のモーターを搭載。最大出力は600hp以上を引き出す。ポルシェのトルクベクタリングにより、4輪に最適な駆動力を配分。0-100km/h加速は3.5秒以下、0-200km/h加速は12秒以下の性能を持つ。二次電池は、リチウムイオンバッテリー。1回の充電で最大500km以上を走行できる。およそ80%の容量なら、バッテリーの充電は約15分。

このミッションEの中核技術のひとつが、919ハイブリッドの800Vテクノロジーの採用。919ハイブリッドにおいて、電圧レベルを決めることは、電動システムにおける根本的決断だったという。なぜなら、バッテリーの設計、エレクトロニクスの設計、エンジンの設計、充電技術など、他にも影響を及ぼすため。ポルシェは、電圧レベルをできる限り高く設定することにした。

ポルシェによると、この高電圧に対応したコンポーネントを見つけることは、非常に困難だったという。とくに、貯蔵媒体として、フライホイールジェネレーター、スーパーキャパシター、またはバッテリーのいずれが適切な貯蔵媒体なのかを検討した結果、ポルシェは、液冷式リチウムイオンバッテリーを選択している。

ポルシェは、919ハイブリッドに、将来のハイブリッドシステムの電圧レベルを試す実験室の役割を与えた。LMP1プログラムを通じて、バッテリーのエネルギー貯蔵と電気モーターの冷却、極めて高い電圧の接続技術、バッテリーマネージメント、システムの設計に関することなど、重要な基礎知識を見出したという。

ポルシェは、「この経験から、市販車開発担当エンジニアは、800Vテクノロジーを採用した4ドアEVコンセプトカー、ミッションEのための重要な専門知識を習得した」と説明している。

《森脇稔》

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