【ダイヤトーンを聴く】パート5…リーズナブルなスピーカーとサブウーファーで、本格サウンドを実現する

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SUZUKI・ソリオバンディット by ウイニング(滋賀県)
SUZUKI・ソリオバンディット by ウイニング(滋賀県) 全 5 枚 拡大写真

国産実力カーオーディオブランド「DIATONE」。同社の製品を搭載したオーディオカーを取材し、その音をリポートしながら、カーオーディオの面白さをお伝えしようと試みている。第5回目となる今回は、「DIATONE」を軸にした、シンプル仕様の1台を取り上げる。

現実的な仕様ながら、いかにして上級サウンドが作られたのか、その秘密に迫っていきたいと思う。取材先は滋賀県の名店、“ウイニング”。聴かせていただいたクルマは、同店のデモカー、「SUZUKI・ソリオバンディット」だ。

■『DIATONE SOUND.NAVI』+市販スピーカー+パワードサブウーファー、というシステム構成。

早速、デモカーに搭載されているシステムをご紹介していこう。まず、メインユニットとしてチョイスされているのは、『DIATONE SOUND.NAVI・NR-MZ100PREMI』。人気の『DIATONE SOUND.NAVI シリーズ』の4代目となる機種で、初のフルモデルチェンジが成された最新モデルである。当機をソースユニット兼サウンドコントロールユニットとして活用し、さらには当機の内蔵アンプでフロント2ウェイスピーカーをドライブしている。そこにパワードサブウーファーをプラスするという、ライトなシステムレイアウトが取られている。

サウンドコンセプトは、“『DIATONE SOUND.NAVI』を使って、気軽に上級サウンドを楽しむこと”。外部アンプは用いず、しかしフロントスピーカーは市販モデルに交換し、かつ低音強化を施して、最低限のコストで一気にサウンドクオリティを向上させようとしているわけだ。

使用するフロントスピーカーは、フランス発の人気ブランド「FOCAL」の“カスタムフィットモデル”の『ISS 170』。税抜価格4万円というリーズナブルなひと品だ。そしてサブウーファーは、「μディメンション」の『GLOW 10000SW』。パワードサブウーファーとしてはミドルクラスに位置する、かつての人気モデルである。現行モデルで言うと『Black Box X10』(税抜価格:4万6000円)に相当する。

なお、フロントスピーカーのインストールスタイルも、至ってライトな仕様である。トゥイーターこそミラー裏に埋め込んでいるが、ミッドウーファーは、内張りパネルの加工をせずに取り付ける方式が取られている。ドア内部の音響的なコンディションを整えるための“デッドニング”は施されているもの、あくまで現実的なアプローチで、ユニットインストールが完了されている。

かくして、このシステム構成&インストールスタイルから、どのようなサウンドが聴けたのかと言うと…。

■『DIATONE SOUND.NAVI』のコントロール機能を駆使して、低音の質を制御。

一聴してまず驚かされたのは、低音の質。パワードサブウーファーは合理的なユニットではあるが、本格ユニットサブウーファーを聴き慣れた耳からすると、少々もの足りなく感じられるのが常だ。しかしながらこの「ソリオバンディット」で聴かれる低音は、本格ユニットサブウーファーに肉薄するクオリティがあったのだ。音に芯があり厚みがある。それでいて無理をしている感は皆無だ。ここまでの低音を再現できている理由は何なのか…。

そしてその次に印象的だったのは、ステージの奥行き感のリアルさ。トゥイーターの取り付け位置がミラー裏で、比較的リスナーに近い場所に設定されているにもかかわらず、奥行き感が十二分に再現されている。この点も、その理由が気になるところだ。

それ以外では、音色の心地良さ、リアルさ、そしてクリアさに好感が持てた。これらは『DIATONE SOUND.NAVI』ならではの、音のきめ細やかさ、チューニング能力の高さ、そして「FOCAL」スピーカーの素性の良さが発揮されてのことだろう。

とにもかくにも、ライトな仕様ながらその音は、本格システムを思わせる実に聴き応えのあるサウンドだった。

さて、このサウンドが実現できている“キモ”について、“ウイニング”代表の中江さんに解説していただいた。

まず低音の濃厚さについてのポイントは、「ドアのスピーカーで、ある程度の低音までしっかり鳴らし、しかしながらそれ以下の信号はカットして、負担も軽減させているから」とのことだった。具体的には以下のようなことが実践されている。1つ目のワザは、『DIATONE SOUND.NAVI』に搭載されている、フロントスピーカーの下側の音をカットする“ローカット”機能を駆使したこと。こうして、ドアのスピーカーのストレス軽減が実現できているのだ。

さらに、サブウーファーとの“クロスポイント”(担当周波数の分かれ目)を63Hzに設定。パワードサブウーファーを使う場合は、“クロスポイント”はもう少し上目に設定されることが多いのだが、本格システムで運用されるようなコントロールスタイルを敢えて取り、ドアのスピーカーとサブウーファーの両方の能力をしっかりと引き出すことにトライ。それが功を奏した、というわけだ。

■手をかけ、創意工夫を発揮することで、音を成長させることが可能…。

そして、ステージの奥行きを表現できているポイントは、「ホームオーディオでもスピーカーを壁から離して置くと、案外奥行き感が出る。トゥイーターをミラー裏に装着しフロントウインドウから距離を取ったことで、それと同様な結果が得られている」とのことだ。

ただし、その効果を得るためには、サウンドチューニングの各パラメーターを、的確にコントロールすることが条件となる。『DIATONE SOUND.NAVI』の高度なチューニング能力と、それを操れる技術の賜物であることもまた、間違いないであろう。

『DIATONE SOUND.NAVI』の実力の高さは、これまでも幾度となく実感してきたが、今回の取材でも改めて、その能力の確かさを確認できた。現実的なユニット構成と取り付け方式でも、ここまで本格的なサウンドが聴けるのだ…。

なお、中江さんいわく、「そうは言っても、『DIATONE SOUND.NAVI』を導入するのならば、いつかは外部パワーアンプの追加を実践していただきたいですね。キレイな音はこのシステムでも十二分に得られるのですが、“馬力”は外部アンプには及びません。まだまだ伸びシロが残っているんですよ」とのことだった。

今回も、『DIATONE』の実力を再認識するとともに、カーオーディオの奥深さも改めて思い知ることができた。手をかけ、創意工夫を発揮することで、音を成長させることが可能なのが、カーオーディオなのだ。その面白さを、より多くの方に満喫していただきたいと切に思う。ご興味があれば、貴方もぜひ。

【ダイヤトーンを聴く】Part.5 リーズナブルなスピーカーとサブウーファーで、いかにして本格サウンドを実現させたのか…。

《太田祥三》

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