【トヨタ パッソ / ダイハツ ブーン 新型】ターゲットユーザーを絞り込まないでデザイン

自動車 ニューモデル 新型車
ダイハツ ブーン(左)とブーン シルク(右)
ダイハツ ブーン(左)とブーン シルク(右) 全 8 枚 拡大写真

トヨタ『パッソ』とダイハツ『ブーン』は、デザインの開発初期段階ではターゲットユーザーを絞り込まず、軽自動車から乗り換えるユーザーはどういうクルマが欲しいのかを考えながらデザインしたという。

そう話すのは、ダイハツ工業デザイン部第1デザイン室東京デザイン課長の清水幸治さんだ。その理由は、「ユーザーのレンジが若い層からお年を召した層まで幅広いので、ある特定の人用に開発するのではなく、ニュートラルに大きなマスを取っていくクルマにしようと考えて開発した」と説明。

通常のデザイン開発では、ターゲットを絞り込むことが普通だ。清水さんは、「旧型は+HANAのように、ある程度女性に振った打ち出し方や売り方をしたのに対し、標準のブーンとパッソは男性をより獲得していこうとした。しかし、ユーザーにどれだけ違って見えるかが伝わらなかったのが実情だった」と振り返る。

これらの視点を踏まえ、今回はダイハツ得意の2フェイス戦略を採った。ダイハツ工業デザイン室第1デザイン室東京デザインの河合徳明さんによると、「どちらもユニセックス、ジェンダレス。老若男女、誰でも受け入れられるようなデザインを目指した」とし、そのうえで、「『シルク』仕様は上質感を表現するために、ふくよかな面や手の込んだグリル類、ランプ類の衣装を採用。更に前後のリフレクターの周りをシルバー加飾することによって上質感を表現した」と説明。

また、清水さんも、「安定感とワイド感を出しながら、正面から見たら丸っこく見える、そしてグリルが離れているデザインを採用した」。その思いは、「一か月たっても子供にどんなクルマかを描かせると、何となくでも丸い記号性を捉えて描ける。このような差別化を明確にしていこうという思いでシルクを開発した」と述べる。

一方標準車は、「万人受けするデザインだ」と清水さん。「(標準車の)格好いい形と、(モーダ・シルクの)丸い形。両方ともユーザーが選べる状態でデザインしようと意識的に作り分けた」と語った。

《内田俊一》

内田俊一

内田俊一(うちだしゅんいち) 日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員 1966年生まれ。自動車関連のマーケティングリサーチ会社に18年間在籍し、先行開発、ユーザー調査に携わる。その後独立し、これまでの経験を活かしデザイン、マーケティング等の視点を中心に執筆。また、クラシックカーの分野も得意としている。保有車は車検切れのルノー25バカラとルノー10。

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