まずはブランドの立ち位置を明確化…DSブランド独立

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日本で販売されているDSたち
日本で販売されているDSたち 全 8 枚 拡大写真
東京モーターショー15を機に、日本でも「シトロエン」ブランドから独立した「DS」。これまでDSが培ってきた、60年のイノベーションとアヴァンギャルドというバリューを受け継ぎ、プレミアム市場においてフランスの自動車ブランドを再構築することが目標だという---。

そう話すのは、プジョー・シトロエン・ジャポン広報部シトロエン&DS PRマネジャーの村田佳代さんだ。そして、DSの3車種全てが、“DSウイング”と呼ばれるフロントグリルとなった、新生DSブランドのラインナップとして出そろった。

DSウイングの特徴のひとつはエンブレムだ。これまで“ダブルシェブロン”が飾っていたフロントには、DSのエンブレムのみとなった。また、「フロントグリルを縁取るクロームのライン、輪郭がヘッドライトとつながるように左右に広がるデザインだ」と村田さん。

そのキセノンヘッドライトの両端には、「LEDを使ったDS LEDビジョンがジュエリーのような輝きを放ち、今までのDSの目力が更に強く、ブランドを印象付けている」と述べる。そして、この新しいDSウイングは『DS3』、『DS4』、『DS5』全てのモデルに採用され、「新生ブランドとしてのDSを最も象徴している部分だ」と説明する。

今後の戦略について村田さんは、「日本市場のPASグループの中で、ユーザーをきちんと確立させるべく、まずはブランドをきちんと立ち上げることが先決だ。そして、ほかの2ブランドとは違う立ち位置を明確にすることがプライオリティとしては高い」という。従って、「いつまでに台数をどうしたいかは発表していないのだ」と述べる。

DSはこれまで、ブランドを設立し、シトロエンから独立、そしてDSブランドショップの展開という過程が、海外市場では順調になされてきたが、同様に日本でも進められるのか。村田さんは、「しいて心配するのなら、(ショールームが分かれることで)6モデルが3モデルずつになることくらいだ」と回答。

その理由は、「ユーザーの取り合いがほとんどない」ことを挙げる。「シトロエンのユーザーは、シトロエンスカイの開放感や、カラー、丸っこさなどからくるキュートさを求めているが、DSはレザーの質などディテールにも拘り、価格帯も違う。その面では、これまで以上に販売しやすくなるだろう」と語った。

《内田俊一》

内田俊一

内田俊一(うちだしゅんいち) 日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員 1966年生まれ。自動車関連のマーケティングリサーチ会社に18年間在籍し、先行開発、ユーザー調査に携わる。その後独立し、これまでの経験を活かしデザイン、マーケティング等の視点を中心に執筆。また、クラシックカーの分野も得意としている。保有車は車検切れのルノー25バカラとルノー10。

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