U-125墜落、標高の誤認識が原因…航空自衛隊

航空 行政
事故機の衝突約5分前からの飛行経路
事故機の衝突約5分前からの飛行経路 全 1 枚 拡大写真

航空自衛隊は、今年4月6日に鹿児島県鹿屋市の御岳山付近で墜落したU-125型機の航空事故調査結果をまとめた。U-125は4月6日14時35分ごろ、鹿児島県鹿屋市高隈山系御岳山頂東側760mに墜落した。

事故機は、海上自衛隊鹿屋航空基地での定期飛行点検のため、同日8時49分に入間飛行場を離陸し、鹿屋飛行場周辺に到達後、午前中に計画した飛行点検を終了、12時06分に同飛行場に着陸した。燃料補給後、13時15分に同飛行場を離陸し、残りの飛行点検としてTACANN(戦術航法装置)点検を実施、点検項目の1つであるアライメント・オービット点検を開始した。

点検では、鹿屋TACANから距離6マイル(9.6km)を維持し、途中で高度を2500フィート(760m)から3000フィート(910m)に変更して、反時計回りの周回飛行を実施していたところ、14時35分頃に鹿屋ターミナル管制所のレーダー画面上から機影が消失した。

翌日、陸上自衛隊の捜索隊が高隈山系御岳山頂東側の山腹で事故機を発見、搭乗員6人全員の死亡が確認された。

事故機は飛行点検中、経路上の山腹に衝突したが、事故原因については、事故機が山腹に衝突するまで鹿屋TACANから距離6マイル、高度3000フィート(910m)で飛行を継続したことにあるとしている。

事故機機長が飛行点検経路上の山の標高を誤認識し、事故機副操縦士もその誤認識に気付かなかった。また、2500フィートから3000フィートに高度を変更した以降、雲に接近または入って視界が遮られる状況になっていた。GPWS(対地接近警報装置)が作動しているにもかかわらず適切な対応をとらなかったことなどが事故原因と見られる。

また、事故に至った背景には、不十分な監督指導があったものとしている。

調査報告書では、事故防止策として航空法など、関連法規の厳守や綿密な飛行計画の策定、警報に対する的確な対処、各級指揮官の厳格な監督指導などを意見している。

《レスポンス編集部》

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