【スーパーフォーミュラ 第4戦】ルーキー関口雄飛が初ポールポジションを獲得

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初ポールを獲得した関口雄飛。
初ポールを獲得した関口雄飛。 全 14 枚 拡大写真

20日、全日本スーパーフォーミュラ選手権(SF)第4戦の公式予選がツインリンクもてぎで行なわれ、今季の新人である関口雄飛が初ポールポジションを獲得した。2位は前年王者の石浦宏明、3位には野尻智紀が続いている。

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今回のもてぎ戦、事前の最注目要素は「ドライ路面用タイヤ 2スペック制」というスペシャルルールの存在だった。通常はミディアムコンパウンド1種のみのドライタイヤ(ヨコハマ製ワンメイク)が、今回はソフトを加えた2スペック供給に。ソフトにはサイドウォールに赤いマークが付けられてミディアムと区別される。予選~決勝を通じて、タイヤをどう使うかが戦い方に影響を及ぼすことは間違いないと見られた。

SFのレースウイークでは各車に4セットの新品ドライタイヤが供給される規則で、今回はソフト新品とミディアム新品が2セットずつ(他に前戦から持ち越しのユーズド・ミディアムが2セット)。予選はQ1~Q2~Q3という3段階ノックアウトなので、どこでソフト新品を使うかが重要な判断軸となる。ミディアムに対するソフトのタイムゲインはラップあたり約1秒と見られるため、僅差接戦が常のSFの場合、上位の選手でもQ1、Q2とソフト新品を投入していかざるを得ない、という一般的な観測も成立するところだった。

この日のツインリンクもてぎ(栃木県)の天候は午前中がほぼ雨、そして午後は概ね強烈な日差しに見舞われるという流れに。路面は朝のフリー走行がウエット、午後の予選はドライ。予選Q2でコースの一部に雨がパラついたりした模様だが、タイム動向に大きな影響を及ぼすものではなかったようだ。

朝はユーズドのミディアムでのドライ走行さえできない状態で予選を迎えるという“ブッツケ本番度”の高かった予選、そこで見事な戦略と速さを披露したのは闘将・星野一義監督が率いるITOCHU ENEX TEAM IMPUL(エンジンはトヨタ)だった。#19 J-P.デ.オリベイラと#20 関口雄飛の両名は、他の17台がQ1での最終アタックにソフトを使ったのに対し、ミディアムでそれに臨んだのである。

実際にはソフトとミディアムのタイム差が「今日の状況ではコンマ3~4秒くらいでしたかね」(関口)という状況を読み、また他チームから「昨日の練習走行でのインパルとの差にショックを受けました」(#1 石浦)というコメントが出たくらいの仕上がりの良さ、これらを見越してのQ1ソフト温存策だった。Q1途中、インパルのピット内では首脳とスタッフの間で「いけると思います」というような会話も聞こえてきたように思うが、ヘタをすればQ1落ちというリスクもはらむ戦略を採って、しかも#19 オリベイラと#20 関口は1-2でQ1を突破してみせる。

全車ソフトでのアタックとなったQ2では、#19 オリベイラが90度コーナーで姿勢を乱して「コンマ7秒くらいロスした」こともあって10位、ここで脱落という誤算もインパルにはあったが、#20 関口はしっかりQ3へと進出。そして「僕だけがソフトの新品を残している、いちばんいい状況にいました」というQ3で1分33秒002をマークした関口は、後続にコンマ4秒差、つまりこの日の自身のソフト~ミディアム間タイム差とほぼイコールの差をキッチリつけて、初ポールを獲得した。

「ある意味、イコールじゃない状況でのポール獲得なので、嬉しさは半減していますね」というコメントが出るあたり、関口らしい大胆さと不敵さの表れであると同時に、前戦でオリベイラがシーズン初優勝を飾り、関口が初表彰台を獲得したチーム全体の好調を示すところだろう。最大のライバル(ともいえる)オリベイラが予選10位という状況も関口を初優勝に向けて後押しするか。決勝での彼のレースぶりが楽しみだ。

予選2位は昨年のチャンピオン、#1 石浦宏明(P.MU/CERUMO・INGING/トヨタ)。3位にはホンダ勢トップとなる#40 野尻智紀(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)が入った。Q3に進出し、予選4~8位となったのは以下の選手たち。

4位 #36 A.ロッテラー(VANTELIN TEAM TOM'S/トヨタ)
5位 #2 国本雄資(P.MU/CERUMO・INGING/トヨタ)
6位 #64 中嶋大祐(NAKAJIMA RACING/ホンダ)
7位 #3 J.ロシター(KONDO RACING/トヨタ)
8位 #16 山本尚貴(TEAM 無限/ホンダ)

昨年のGP2王者、F1マクラーレン・ホンダのリザーブ選手でもある#41 S.バンドーン(DOCOMO TEAM DANDELION RACING/ホンダ)は予選9位。トヨタのWECワークスドライバーである#37 中嶋一貴(VANTELIN TEAM TOM'S/トヨタ)は予選11位、同じく#8 小林可夢偉(SUNOCO TEAM LEMANS/トヨタ)は予選14位から、それぞれ決勝での挽回を目指す。

明日(21日)の決勝はフォーメーションラップスタート予定が15時、レース距離250km(52周)の戦い。今回はレース中にソフト、ミディアムの両スペックを使用することが義務付けられる(レース中にレインタイヤを使用した場合、この義務は無効化)。通常、SFは燃費的にピットストップ1回が基軸だ。いつもならそこでタイヤ交換をどうするかが戦略判断となるが、今回は全車がソフトからミディアム、あるいはミディアムからソフトへと4輪交換することに。どういうレース展開が見られるのか、熱暑のなかでブレーキに厳しいコースでの戦いという意味も含めて、実に興味深い一戦だ。

なお、この日の定例「サタデーミーティング」で来季暫定日程についてシリーズ運営団体JRPの倉下明社長から言及があり、基本線は先にJAFが公表した登録申請状況(既報)に沿うが、他のシリーズ(主にSFとの並行参戦選手が多いWEC=世界耐久選手権)との日程重複等に対する調整の可能性が示唆された。また、現行のSF14シャシーと直噴2リッターターボエンジンを基軸にした車両規定が18年までは大筋で変わらないこと、そして将来的には「アジア地域に限らない」海外開催を視野に入れていく方針も倉下社長は語っている。

《遠藤俊幸》

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