【SL乗務員OBトーク #3】東北初の寝台特急「はくつる」牽引、C61の行路

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那須高原を左手に見て東北線を行くEH500。首都圏~北海道で長距離&高速運用に活躍する機種
那須高原を左手に見て東北線を行くEH500。首都圏~北海道で長距離&高速運用に活躍する機種 全 7 枚 拡大写真

第17回国際鉄道模型コンベンション(千葉市、幕張メッセ)の8月21日のステージで、70~80歳代の元SL機関士が本音で語るトークショー「乗務員が語る蒸機時代2」が開催された。川端新二氏、宇田賢吉氏、大山正氏の3人の元SL乗務員が1時間半にわたって語った。

【画像全7枚】

1962年(昭和37年)に国鉄入りし、東北線初の寝台特急「はくつる」のけん引機C61に乗務した大山さんは、東北線蒸機特急時代の思い出を、宇田さんは、機関助士への機関士の“優しさ”などを語る。

◆東北線初の寝台特急「はくつる」にC61

大山さん:「仙台機関区から仙台運転所に変わるころに入った。そのころはC59が主役で、仙台から一ノ関まで、途中の小牟田で列車を変えて行き、翌日帰ってくるというパターンの仕事が続いた」

「当時の仙台機関区は、乗務員甲組は、C61、C60担当、乙組は常磐線担当。常磐線は仙台の南、岩沼の先で阿武隈川を渡ると、仙台鉄道管理局から水戸鉄道管理局になる。仙台の乗務は原ノ町までで、平に行くことはほとんどなかった。機関車の運用にも甲乙があり、東北線が甲組、常磐線が乙組といわれていた。急行用がC61、常磐線から入ってくるのがC62だった」

「高卒で仙台鉄道管理局を受けて機関助士になった。C61に乗りたかったけど、機関士にはもうなれないということだった。そのころ、すでに『はつかり』は気動車化されていた。急行『八甲田』などの列車の半分はDD51ディーゼル機関車になっていた。そんな状況だった昭和39年(1964年)、東北線初の寝台特急『はくつる』が登場し、仙台と青森の間をC61が引く、と」

仙台~青森、石炭補給なし一発で

「当時の『はくつる』は20系客車11両編成。いちばんいい機関士と組ませてもらって、月に4回、上り下り2往復のはくつるを担当した。たとえば一ノ関では、急行列車は石炭をかきならして、水を飲ませて、油をさす。それを3分でやる。『はくつる』は、一ノ関の本線での4トン/分の給水で、2分で給水して引き継ぐ」

「仙台から青森まで、370kmのロングラン。水は途中で給水するけど、石炭はテンダーに3つの山をつくるように満載して、一発でいく。もともとC61は自動給炭機装備だったが、1回だけ仙台と一ノ関の間を手焚きで行ったことがある。ものすごい疲労で、ボイラーも効率が落ちたと記憶している。ハドソン(※)のC60、61、62に携われたのはありがたかった」 ※ハドソン=先輪2軸、動輪3軸、従輪2軸のレイアウト。

◆おまえそこへ座って一服しとけ

川端さん:「僕は15歳のときに機関助士になった。当時、東海道線の関ヶ原の峠で、機関士に釜を炊いてもらったことがある。機関士は15歳のこちらに向かって『おまえそこへ座って一服しておけ』と。助士を機関士の席に座らせて……。できない機関助士を張り倒したいぐらいだったろうに、みんな優しかった」

「貨物がいかに難しいか。旅客列車以上に貨物列車が難しい。米原機関区では、まず客車で修行して、それから貨物列車に乗務させる。貨物のほうに場数をふんだ優秀な乗務員が入る。同じ東海道の浜松機関区は客車の乗務員が上だった。ところが米原は管内に関ヶ原の勾配があり、貨物のほうがはるかに運転が難しいといわれていた」

---最後に、川端氏、宇田氏、大山氏は起立し来場者に一礼。そのとき、機関士・機関助士の制服を着た川端氏と宇田氏は右手を上げて敬礼、Yシャツ姿の川端氏は頭を下げた。国鉄の教習所では、礼儀については厳しく教えたそうだ。帽子をかぶっているときは敬礼、帽子を脱いでいるときは頭を下げるのである。

《レスポンス編集部》

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