【トヨタ プリウスPHV 試乗】エンジニアは頑張った!あとは価格次第…鈴木ケンイチ

試乗記 国産車
トヨタ プリウスPHV 新型
トヨタ プリウスPHV 新型 全 8 枚 拡大写真

「プリウスPHVは、プリウス・シリーズのトップモデルとなります」と開発陣は言う。確かに、高価なリチウムイオン電池を大量に搭載する『プリウスPHV』は、「プリウス」と名付けられた車種の中で最も高額なモデルとなるだろう。

しかし、ベースはプリウスだ。つまり、普通のプリウスとプリウスPHVの違いに、エクストラを払う価値があるかどうかがポイントとなる。具体的な違いは大きく3つ。FCVである『MIRAI』を彷彿とさせる顔つき。先進感あふれる11.6インチの室内大型ディスプレイ。そして、EVフィールを味わえる走り。この3つがエクストラ価格の理由だ。

試乗はショートサーキット。比較用に普通のプリウスが用意されており、乗り比べるという格好で行われた。まず、最初に驚くのはベースとなる普通のプリウスの走りの良さだ。サーキットにまったく似合わないエコタイヤでも、怖くもなく、それなりのペースで走れてしまうことに呆れる。しかし、プリウスPHVの走りは、さらに一枚上手であった。レスポンスよく、パワフルで静か。完全に床までアクセルを踏みきらないかぎり、ほぼEVモードのまま走れてしまう。8割くらいのペースならEVそのままだ。さらに、全体の動きがどっしりと落ち着いており、車格がひとつ上がったよう。走りという点では文句なしであった。

そこで問題は冒頭に戻る。つまり、「エクストラにいくらまで払うのか?」ということ。そして差額の大きさが問題となる。三桁に届くのか? 数十万円の後半なのか? それとも前半? もっとお手軽なオプション感覚? どれだけのお金を出すのかは、PHVをどれだけ欲しいのかによっても変わってくる。顔の違いは好き嫌いなのでノーコメント。11.6インチの大型ディスプレイは使いやすく、エクストラの価値はあるだろう。走りは、開発陣が相当に頑張ったと思う。となると、あとは価格次第だ。販売価格はいくらになるのか? 今年の冬の正式発表を楽しみに待とうではないか。

■5つ星評価
パッケージング:★★★
インテリア/居住性:★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★★

鈴木ケンイチ | モータージャーナリスト(日本自動車ジャーナリスト協会会員)
新車のレビューからEVなどの最先端技術、開発者インタビュー、ユーザー取材、ドライブ企画まで幅広く行う。特に得意なのは、プロダクツの背景にある作り手の思いを掘り出すインタビュー。

《鈴木ケンイチ》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. どこだ? 日産が7工場を閉鎖予定---可能性のある工場すべてをリストアップした
  2. もしも流行の「2段ヘッドライト」がなかったら…!? 一流デザイナーが斬新なフロントマスクを提案
  3. 東京外環道、千葉県内の4つのインターチェンジがETC専用に…9月2日から
  4. なぜ? 日産 リーフ 新型がクロスオーバーSUVに変身した理由
  5. トヨタ『GRヤリス』にモータースポーツ由来の空力パーツ採用!「エアロパフォーマンス」誕生
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 茨城県内4エリアでBYDの大型EVバス「K8 2.0」が運行開始
  2. リチウムイオン電池の寿命を2倍に、矢崎総業、バインダフリー電極材料を開発
  3. BYD、認定中古車にも「10年30万km」バッテリーSoH保証適用
  4. トヨタや京大、全固体フッ化物イオン電池開発…従来比2倍超の容量達成
  5. コンチネンタル、EVモーター用の新センサー技術開発…精密な温度測定可能に
ランキングをもっと見る